HOME*お天気猫や > 夢の図書館本館 > 夢の図書館新館
このごろゲームに浸りっきりのミヤベさん、 現在地方新聞でもゲームそのままの異世界に飛び込んだ少年が 冒険する剣と魔法のファンタジーを連載していますが、 今回の文庫書き下ろしもロールプレイングゲーム? と思ったら、こちらは私達にお馴染みのインターネットが題材でした。
同一犯人によると思われる連続刺殺事件の捜査の為に、 ホンボシを追う捜査陣とは別行動を取るチームに入った 武上刑事と石津刑事。 彼らイレギュラーズの面前で繰り広げられる ネット上で結ばれた仮の「家族」の心理劇。 ほとんどの場面は取調室を中心に進む一幕物です。
疑似家族と言えば思い出されるのが大作『理由』、 しかもネット上での絆テーマなんて下手に掘ると とんでもなく重く暗い超大作になってしまいそうですが、 普段ネットはやらないミヤベさんらしく、 ネット家族の扱いには割合深入せず、 客観的な読みやすい構成になっています。 初めの内感じた特別編成チームや人間関係に対する 違和感もひっくるめ、 劇の終わりはすとん、と上手く落とします。
さっと読めて捜査陣は感じが良くて展開が上手くて最後に驚きがあって、 しかも良識ある人から見た「我が身」の反省もちょっと出来る。 大作『模倣犯』は古本屋でもなかなか値が下がらなくて まだ手が出ていないのですが、 『R.P.G』は500円以下、なかなかお得な文庫です。(ナルシア)
『R.P.G』 著者:宮部みゆき / 出版社:集英社文庫
>> 前の本 | 蔵書一覧 (TOP Page) | 次の本 <<
管理者:お天気猫や
夢図書[ブックトーク] メルマガ[Tea Rose Cafe] 季節[ハロウィーン] [クリスマス]