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図書館の書棚から、とっさにすばやく 抜き取ったこの本の作者は、 『卵と私』シリーズのベティー・マクドナルド。 彼女の本が、こんなところに。 卵シリーズ以外の本を読みたいけれど、 日本語では読めないんだろうと決めつけていた。
児童書のコーナーにあったとは。 内容は、もちろん児童書。 卵─のように徹底的な辛らつさは、さすがにないけれど、 子どもたちの描写にかけては、 主婦作家の面目躍如。
やさしいけど魔女めいた、独り暮らしの ピグルウィグルおばさんが、町の子どもたちの 悪い癖を、おばさん独特のやり方で、ひとりずつ 完璧に治していくというお話だ。 子どもたちはおばさんのことが大好きだから、 困ったパパやママは、おばさんに助けを求める。 でも、ここで大事なのは、パパやママが おばさんのいうことを信じて実行することだ。 子どものいないおばさんに何がわかる、 なんてだれも言わない。 おばさんは、だれよりも多くの子どもを 友達として見ているし、今までにもいろんな町で どうやら子どもたちをこうして魔法にかけてきたらしい。
おばさんのやり方は、決して楽な方法ではなくて、 当の子どもにとっては、なかなかつらいクスリでもある。 このお話を読んでいると、 ああ、子どもの頃って、とつぜん、お転婆の度が過ぎたり 悪い癖が身について、親を困らせたりしたっけ、と思い出す。
さて、この本の読まれた履歴には謎がある。 年に何回か貸し出されていたのが、 なぜか平成5年から13年まで、つまり2001年に 私が借りるまで、8年間ものあいだ、だぁれも借りていない。 その間、いったいどこでどうしてたんだろう。 「図書館じゃ、よくあることよ。」 ピグルウィグルおばさんのやさしい声が、 電話の向うから聴こえたような気がした。(マーズ)
『ピグルウィグルおばさん』 著者:ベティー・マクドナルド 訳:中山知子 / 出版社:学習研究社
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管理者:お天気猫や
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