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自分を表現するのは難しい。 自分の思いを伝えるのはさらに難しい。 自分の思いを思い通りに理解してもらうのは、 時として、至難である。
私は、自己表現が下手だと思っている。 そう思っているが、そうでないという人もいる。 そうでない、という人は、 私に好意的な人か、親しい人である。 確かに、私は時として、 自己表現に長けているタイプでもある。 場が自分に好意的であると知っていれば、 最大限に自分を表現できる内弁慶である。 とにかく、人見知りをするだけで、 そこの関門をクリアすれば、 だいたいにおいて、自分を伝えることができるようだ。
でも、相手が初対面な場合。 あるいは、上司。 あるいは、不特定多数を相手とする場合。 好意的に受け取ってもらうのは無理にしても、 せめて、効果的にこちらの意図を伝えたい場合、 人見知りな人間は、とても不利である。 なんとか、この壁を打破すべく、 いつものように、本と相談する。 ・・・この内向さが、そもそもの弱点なのだが。
本を読みつつ考えてみるに、 私は典型的なシャイな(前世紀の)日本人だし、 自分の弱さを人に見られたくないとか、 実物以上によりよいものに見せようとするから、 結局は、人前に立つ、 人前で何かを述べる、 何かを伝える、ということに臆してしまうのだろう。 完璧を望むが故に、些細な失敗さえ恐れ、 結局、何も踏み出すことが出来ない、という、 典型的なタイプでもあるのだ。
いかに、うまく、自分を相手に伝えるか。 それは、この本の結びにも、コンパクトに記されているが、 「それでいいんだ」という意識革命から始まるのだろう。 私は、それほどお話も上手じゃないし、 人前に立つのも苦手、 どちらかというと、たくさん弱点もあるけど、 でも、私は私よ。 それでも、私には言いたいことがあるし、 言いたくなくても言わなきゃいけないことがある。 こういう私の話にも、聞くべき点は色々あるのだ。 だから、私の話を是非聞いて欲しい。 精一杯、伝えようと努力するから。 と、いうことだろうか。 まあ、うまくやろうとするより、 誠実にやろうとすることが大切だというこである。
だって、社運を賭けた大企業のプレゼンじゃないのだから。 仮にそうだとしても、そんなことに自己表現の苦手な「私」を抜擢する方が そもそもの間違いなのだから。 だから。 できることを自分なりに、誠実にやること。 自分をプレゼンするというのは、欠点や弱点を含めて、 等身大の自分をきちんと語ることが出来ればいいのじゃないかな。 最近、そう思っている。 だって、欠点もあっての私。 まあ、そういう開き直りから始めようと、 そう思っている。(シィアル)
『自分「プレゼン」術』 著者:藤原和博 / 出版社:ちくま新書
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管理者:お天気猫や
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