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うーん、ショパンとミステリーかあ。 なんだかツキすぎているなあ、と見送った覚えのある 老舗ミステリ雑誌「EQ」に連載されていたピアニストの ミステリ・エッセイ、文庫になったので読んでみました。
「コンサート前の演奏者はほとんど完全犯罪を目論む 殺人者の気分」と言う著者の青柳いづみこさんは ドヴュッシーと世紀末デカダンスの耽美な関係を研究している方で、 おまけに「怪奇小説傑作編」フランス編の翻訳もされた 骨董趣味人でもある仏文学者青柳瑞穂のお孫さん。 誰がこのタイトルつけたの、 ちっともショパンじゃないじゃないですか(笑)。
何事においても専門家のかなしさ、音楽ミステリは 「そんな事あるかい」といったような細部が目について 苦手と言いつつやっぱり興味はミステリにおける音楽関係。 「失恋を癒すためにピアノを奏でる神津恭介は やっぱりプロではない」 「ショパン・コンクール出身のシンクレアは 何でショパンを弾かないのだ?」 古き良き昔の探偵小説が主に取り上げられているのも クラッシックに似合いです。 しかしなにより音楽の演奏というのはいわば非日常の局限状態、 被害者や探偵よりも犯人達の心理に一番感情移入できるのって、 ‥‥やっぱりアヤシいですよ青柳さん(笑)。(ナルシア)
『ショパンに飽きたら、ミステリー』 著者:青柳いづみこ / 出版社:創元ライブラリ
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管理者:お天気猫や
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