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   義務と演技
   2005年07月18日(月)


昨夜は、当直をやっておりました。

















その昔。

ざっくりと表現すれば、昭和40年代。

ここら一体は、夜間の救急医療に関してとても遅れた地域だったそうです。



当時。

ここいらへん一帯に居住していた人たちは、近所の医療機関が終了した後具合が悪くなっても緊急で診てくれる医療機関は数えるほどしか無かったそうです。



当然。

夜間から早朝の間「小さな子供」でも「お年寄り」でも、ある程度の(相当な)我慢が強いられたわけですね。

中には「助かるはずの病」でも、治療が遅れたために帰らぬ人になったケースもあったのでしょう。

中には、一晩中痛みと闘いながら辛い夜を過ごした人もいた事でしょう。



いわゆる、「たらいまわし」にあいながら。。。

















そんな頃。

俺の勤務する病院は出来たのです。

以来、患者と同じ目線で向き合えるスタッフが熱き志で「夜間の救急医療」を含めた地域密着型の医療を展開してきました。



結果。

現在、市内の主要な医療機関では当然のように夜間の救急医療に応じることが出来る体制を整えるようになり。

ローテーションで「一次医療機関」の受け皿となるべき「二次医療機関」を持ち回り。

更には、高度医療に対応できる大学病院との連携で重厚な体勢の地域医療が展開できるようになりました。


















昨夜は、当直をやっておりました。


昨夜は「循環器内科」と「外科」、そして「小児科」の二次当番の日でした。

当然、市内の医療機関ではメインの活躍を期待されるべき日なのですが。






異常な程、問い合わせの多い当直になりました。




現在、妊娠8週の妊婦なんですが・・・診てもらえますよね。

耳に虫が入っちゃって・・・なんとかしてもらえませんか!

昼過ぎから目が痛くって・・・なんとか診て欲しいんですけど。





内科なら対応できますが。

外傷なら対応できますが。

お子様の対応ならなんとか致しますが。





申し訳ありません、現在婦人科の医師はおりませんので。

申し訳ありません、当院には耳鼻科の医師はおりませんので。

申し訳ありません、当院には眼科の医師はおりませんので。





医療機関の受付たるもの、受診を希望する患者さんに対してお断りをする事ほど申し訳ないことも無いのですが。

診れない方の診察を受けるわけにはいきません。

本当に申し訳ない話なのですが、大学病院の救急外来を紹介せざるをえません。

















しかし、昨夜は異常な程問い合わせの多い当直でした。

















近所の○○病院の事務さんが、なにか勘違いされていたらしく・・・電話で。


□□病院さんは、今日婦人科の先生が当直だそうですよ!

そのケースは、□□病院さんなら診てもらえると思いますよ。

□□病院さんなら、今夜何でも引き受けてくれるみたいなので・・・

とか、答えていたらしく。






□□病院の事務当直をしていた俺は、21世紀型(情報過多時代)のたらいまわしの片棒担がされつつ。

○○病院の事務さんが、早く成長してくれる事を祈りつつ。

















(医事の)義務と演技も、案外難しいわけで。

















あれ。

今日は、オチ考えるの忘れてた!


スマン。








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