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2009年10月20日(火) 孤独と焦燥(13)

仕事の内容は先に書いたとおりで、簡単に言えば駐車料金をもらう仕事だった。
入場口で車を止め、「駐車料金300円になっております」と言い、料金をもらうのだ。
先にクレーム処理と書いたのは、この駐車場の存在はポスター等で謳っていたが、駐車料金のことを書いていなかったために起こった。
すべて市の責任である。

入る客入る客に「ええっ!? ここは駐車料金取るんか!? そんなことどこにも書いてなかったぞ!」と言われ、いちいちそれに応対していかなければならない。
土日祭日ともなると入場者数も多くなり、すぐに駐車場付近は渋滞になった。
これもポスター等にちゃんと掲載していたら、客とこちらのやりとりの時間分の渋滞は避けられたのかもしれない。

あまりに「駐車料金がいるんか!?」といわれるので、ある日(たしか雨の日だったが)とうとうぼくは切れてしまって、「どこの世界に駐車料金を払わんで駐車できるところがあるかー!?」と大声で怒鳴ってしまった。
その客も頭にきたのか、車から降りてきてぼくに掴みかかろうとした。
たまたまそこに警備員が通りかかったため、その客は警察と勘違いしたのかすぐに車に戻り、300円を払って駐車場の中に消えていった。
おかげで大事には至らなかった。

また、こういうことがあった。
元々、その駐車場は西鉄の土地を市が借りた臨時のものだった。
ある日、大分ナンバーの高級車が入ってきた。
ぼくはいつものように「駐車料金300円いただきます」と言った。
すると、その車に乗っていた中年のおばさんが騒ぎ出した。
「まあ、ここは駐車料金取るんね。そんなこと聞いてなかった。さっそく○○(北九州市長)さんに言わないと」
「いや、この土地は西鉄の土地だから、市とは直接関係ないですよ」とぼくは答えた。
「じゃあ、××(西鉄社長)さんに言わないと。こんな所で金儲けしてるなんて」とおばさんは言った。
この時もぼくは頭に来て「市長でも社長でも言ってください! とにかく300円払って下さい!」と言った。
そのおばさんは、ブリブリ文句を言いながら300円を投げるようにしてくれた。
シャトルバスに乗ってからも文句を言っていた。
バスの運転手さんもムッとしていた。

それから何時間かして、駐車場を閉める間際にそのおばさんは戻ってきた。
笑顔でバスから降りてきたのだが、会場に忘れ物をしたらしく、また騒ぎ出した。
「会場に戻って下さい」と運転手さんに掛け合っていたが、「もうこのバスは戻りません」と言って相手にしなかった。

今度はぼくたちの所に来て騒ぎ出した。
ぼくたちも相手にせず、「もうここは閉めますよ。早く車を出して下さい」と言って、あとは知らん顔をしていた。
おばさんはしぶしぶ車に乗り込み出て行った。
ぼくたちは、「いい気味だと言い合った。


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