そのおみくじが現実になる時が来た。 3月、受験した大学に全部落ちた。 真っ暗な時代が幕を開けた。
受験したすべての大学に落ちたことで、「もう大学なんかに行くものか!」という気分になっていた。 「とりあえず夜間の短大でも入って、そこで将来のことを考えたらどうか?」という知人の助言もあり、近くのK短大を受けることにした。
ここは願書を出すだけでOKという短大で、授業料もさほど高くなく、場所は家から1、5Km位の位置にあった。 ぼくは自転車で願書を取りに行った。 退屈そうな男の事務員が、面倒臭そうに「ああ、ここを受けるんかね。ふーん」と言いながら願書をくれた。 家に願書を持って帰り、早速書き始めた。
翌日、願書の続きを書いていると突然テレビから「北九州市にあるK短期大学が倒産しましたというニュースが流れてきた。 唖然としたぼくは「あのおっさん何も言わんかったやないか!」と文句をいいながら願書を破り捨てた。 「さあ、どうしよう?」 ぼくはそこからのことを何も考えられずにいた。
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