まだ日曜日の話は続く。 英彦山を下りた後、水マニアのオナカ君が、 「他にどこか水の出る場所はないかのう?」と聞いた。 「白川水源」 「どこか?」 「熊本」 「ああ。あそこ熊本でも阿蘇の向こう側やないか」 「おう。南阿蘇やの」 「今から行ける場所やないやろ。近場でないんか?」 「ある」 「どこ?」 「東区の景勝町と戸畑の菅原神社。あと芦屋にも湧き水があるらしいけど、そこは自衛隊の基地の中やけ入れん」 「そうか。じゃあ、景勝町と戸畑に行くか」 ということで、オナカ君は家に帰ろうとしていた車の方向を、急きょ東区・戸畑方面に変えた。
景勝町は新・日本三大夜景の一つである皿倉山の麓にある。 皿倉山にはいくつか水汲み場がある。 そのほとんどが山中にあるのだが、景勝町の水汲み場だけは違っていて、ほとんど平地の幹線道路に面したところにある。 わざわざ山に登る必要がないので、けっこう利用している人が多い。
ぼくたちがそこに着いた時も、何人かの人が水汲み場に集まっていた。 いくら県内とはいえ英彦山は土地が違うので、そこの水を飲むのを遠慮していた。 だが、さすがに景勝町は地元の水という安心感がある。 そこで、堪能するまで飲んだのだった。
さて、もう一つの場所、戸畑の菅原神社は、景勝町から車で10分ほどで着いた。 景勝町の水汲み場は山水ということもあり垂れ流しなのだが、ここは違う。 湧き水ということもあり、蛇口で水を出して汲むようになっている。 さらに、20リットルまでという制限までついていた。
そこの水には歴史がある。 平安の頃、菅原道真公が太宰府に赴任する際、菅公が足を洗ったのがそこの水であったという。 それ故に、菅原神社というらしい。
オナカ君が水を汲んでいる間、ぼくはその菅公の水で育ったであろう、その神社の主の写真を撮っていた。 こいつです↓
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