家に帰ってみると、玄関灯に興奮している蛾がいた。 気にせず玄関の鍵を開けようとすると、突然ぼくに攻撃を仕掛けてきた。 蛾粉を振り撒きながら、ぼくの顔をめがけて飛んでくるのだ。 そのため、その場にいることも出来ず、なかなか鍵を開けられない。 手で振り払うと、逆上するのか、さらに攻撃を仕掛けてくる。
数分後、蛾は疲れたのか、玄関灯の下で休憩モードに入った。 そこでようやく鍵を開けることが出来た。
この蛾、よく見るとカジュアルっぽい柄をしている。 ベージュとグリーン、迷彩服を着ているようにも見える。 嫁ブーと二人してじっとこの蛾を見ていると、嫁ブーがポツリと言った。 「もしかしたら、この蛾はうちの守り神かもしれんね」 後日日記に書くかもしれないが、このところ、あまりいいことがない。 それゆえに、嫁ブーの言葉通りであってほしい、とぼくは思ったのだった。
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