前にオリジナル曲が200曲近くあると書いたが、その中にはどうでもいい曲や、心情的にこの先歌うことがないと思われる曲もある。 今日、ブログ「空を翔べ!」で『いつまでも続く階段』という曲を公開したのだが、この曲もそういうものの一つである。
この曲は『いま』と同じく、高校3年に作ったものだ。 作ったのは夏休みの終わり頃だった。 夏休みには、高校最後の柔道の試合や、2年時の同級会キャンプなどがある。 また文化祭に向けてバンドの練習もしなければならない。 と、いろいろとスケジュールが詰まっていた。
ところが、同級会キャンプが終わった頃から、何となくかげりが見えてきた。 それまで順調にいっていたバンド練習だったが、その頃を境にメンバーの集まりが悪くなったのだ。 一人減り二人減りである。 どうしてそうなったのかという理由はわかっている。 それは受験である。 みんな焦っていたのだ。 それゆえに強要も出来なかった。 結局最後には焦ってない2人だけが残り、そのままバンドは解散してしまった。
この歌を作ったのは、そういう面白くない時期だった。 期待していた高校最後の夏休みが、こんなことで終わるとは思ってもいなかった。 出来たら受験も何もなかった1年前に戻りたい。 そういう思いが、この歌を作らせたのだろうと思う。
こういう背景を持っている歌を、ぼくは基本的には歌わない。 どうしても、その時のやるせない気持ちを思い出してしまうからだ。
そういう歌をなぜ録音したのかというと、今日ふとこの歌詞を読んでみると、どうも今の心境と同じに思えたのだ。 長年やってきた仕事から離れ、どうも面白くない。 かといって、何が出来るわけでもない。 そういうやるせない気持ちが、何かあの頃と似ているのだ。 そういう気持ちの時に、この歌を歌ったら、どういう感じになるのだろうと思って、録音してみたわけだ。
結果は聞いての通りです。 この歌を聴いて、ぼくのやるせなさがわかってくれたら、嬉しく思います。
ところで、『帰らしておくれ』というのは方言なんですね。 今まで気がつかなかった。
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