頑張る40代!plus

2006年03月28日(火) 整骨院に行く(後)

「他に痛いところはありますか?」
「ああ、肩も痛いんです」
「重たい物を持ったせいですか?」
「いえ、去年五十肩になったんですよ。それがまだ完全に治ってないみたいで…」
「五十肩ですかぁ。あれは痛いらしいですねえ…」
「痛いどころじゃないですよ。腕が上がらんとですからねえ」

「で、今は上がるんですか?」
「無理して上げてましたから、上がるのは上がりますよ」
「無理して?」
「ええ。痛くても我慢して腕を上げるようにしないと、固まってしまって上がらんようになると言われたんですよ」
「ああ、それは間違ってます」
「えっ?」
「痛い時は絶対無理したらいけません。痛いのを我慢して無理な運動したら逆効果なんですよ。固まっても、あとで治せばいいんですから、無理をしないことが一番です」
「そうなんですか…」
「ええ、そういう迷信みたいなことを信じたらいけません」

そのあと、低周波治療や温熱治療を行ったあと、もう一度先生の診察を受けた。
先生は、ぼくを仰向けに寝させ、ぼくの右脚を抱えてまっすぐに伸ばしたまま前に曲げた。
次にその脚を曲げて、横に捻った。
今度は左脚で同じことをやった。

しばらくそういうことを繰り返したあと、先生はおもむろに言った。
「痛みの原因がわかりましたよ」
「えっ、何ですか?」
「それは、体が硬いんですよ」
「ああ、それはありますね」
「だからちょっと無理すると、筋や筋肉に影響が出るんですよ」

思い当たる節がある。
元々ぼくは体が硬かった。
それゆえに、運動をやっていた学生時代には、いつも柔軟運動だけは避けていた。
それがまた体を硬くする原因でもあったのだ。
ちょっと激しい運動をすると、体の節々が痛くなり、それがいつまでも尾を引く。
社会に出てからは、柔軟運動以外の運動もしなくなったため、さらに体の硬化が進んだのだろう。
そのあげくが腰痛や背中痛である。

「寝る前に柔軟体操やってください」
「柔軟体操ですか…」
「少しやるだけでも効果がでますよ」
「そうですか…」
「じゃあ、今日から体をほぐしましょう」

ということで、ぼくはストレッチボードなるものに乗せられることになったのだ。
これをやると、ふくらはぎや太ももが張ってかなり痛い。
それに加えて、前屈や横曲げをしろと言うだからたまらない。
『整骨院=楽、気持ちいい』という図式を描いていたぼくにとって、それは苦痛以外の何ものでもなかった。


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