頑張る40代!plus

2006年02月06日(月) ラブユー東京(前)

今朝、会社に着いてからのこと。
突然、頭の中である歌が鳴りだした。
その歌とは、ロス・プリモスの『ラブユー東京』である。
別に、出がけのテレビやラジオで聴いたわけではない。
とにかく突然だったのだ。

あまりしつこく鳴るので、ぼくはそれを振り払うかのように、「七色の虹がー、消えてしまったのー♪」と口に出して歌った。
すると横にいたパートさんが、嬉しそうに「シャボーン玉のような、あたしの涙ー♪」とそれに続いた。
それを聞いていた他のパートさんは、「二人とも古いねえ」と笑っていた。

それから1時間が経った。
相変わらずぼくの頭の中では『ラブユー東京』が鳴っていた。
「何でこの歌が鳴るんだろう?」と思ってみたが、答は出てこない。
まあ、そんなことよりも、先ほどのパートさんが、嬉しそうに歌っている姿のほうに関心が行っていた。
「あの人は年上だから当然知っているだろうけど、果たして年下の人たちはこの歌を知っているんだろうか」
そう思ったぼくは、年下の人たちが知っているかどうか試してみることにした。
ところが、今日出勤しているパートさんで、ぼくより年下というと、先ほど「二人とも古いねえ」と笑っていた人ぐらいしかいない。

いや、一人いた。
中リン、22歳である。
さっそく化粧品コーナーに行き、中リンに聞いてみた。
「中リン、『ラブユー東京』知っとうか?」
「何ですか、それ?」
「歌の題名なんやけど、知らんか?」
「知りませんよ」
「そうか」
「どんな歌なんですか?」
「それはねえ…」とぼくが歌おうとした時、ふと横を見ると、そこにイトキョンが立っていた。

「イトキョン、あんた『ラブユー東京』知っとるやろ?」
「『ラブユー東京』…。ああ、ロス・プリモスの?」
「うん」
「それがどうしたと?」
「中リンは知らんらしいよ」
「そりゃそうやろ。あれ、相当古い歌よ」
「うん。おれが小学生の時に流行ったけ、40年ぐらい前の歌」
「そうやろ」
「イトキョンは歌える?」
「えーと、『七色の虹がー♪』やったかねえ」
「そうそう。じゃあ、中リンに教えてやっとって」
「えっ、わたしが?」
「うん。あんたしかおらん。頼むね」
ぼくはそう言って、その場を離れた。

その後も、ぼくの頭の中では『ラブユー東京』が鳴っていた。
そういえば、ぼくが小学生や中学生の頃は、やたらムード歌謡が流行っていたような気がする。
黒沢明とロス・プリモスの他に、鶴岡雅義と東京ロマンチカ、内山田洋とクールファイブ、敏いとうとハッピーエンドブルー、ロス・インディオスなどがいたが、その後どうしているのだろう。
あ、『昭和ブルース』を歌ったザ・ブルーベレ・シンガーズというのもいた。
あの人たちは、今どうしているのだろう?
そういう疑問を抱きながら、ぼくは今日を過ごしたのだった。


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