2006年01月30日(月) |
運命は繰り返すのだろうか |
4月の転勤の話、本社からの応援を断った件、部長との話し合いなど、仕事の面ですっきりしない毎日が続いている。 他にも、突然先行き不安定になった会社とか、会社内でぼく一人浮いているような雰囲気とかが、前の会社を辞めた時の状況にそっくりなのだ。
ぼくが前の会社を辞めた年の4月から、同期の人間が次々と辞めていった。 そのほとんどの理由が、「この会社に将来性を感じなくなった」だった。 発端は、「親会社が、プロパー社員を全員僻地に飛ばし、その後で会社を精算する」という噂が流れたことによる。 その年の4月に新しい店長が赴任したのだが、その店長は僻地に飛ばすための刺客だということだった。 ぼく以前に辞めた人は、そういう噂に敏感だった。 一人辞め二人辞め、気がついたら十数人が辞めていた。
ぼくはけっこう鈍感なほうなので「まあ、何とかなるやろ」くらいに思っていたのだが、先に辞めた人たちから、何度も「しんちゃんも考えたほうがいいよ」と言われ、そのことについて考えるようになった。 しかし、ぼくが辞めた直接の原因は会社の先行きなどではなく、その会社に対し使命感を感じなくなったことと、店長との確執にあった。
なぜ使命感を感じなくなったのかというと、要は仕事に魅力を感じなくなったからである。 ぼくは、楽器という、その会社では特殊な商品を扱っていたために、入社以来ずっと自由に仕事をさせてもらっていた。 ところが、ある時から急に没個性的な本社組織に編入されてしまい、だんだん魅力を感じなくなっていったのだ。 そのうち、いつもいつも同じことばかりしているような気がして、生涯ずっとこの仕事を続けていくのかと思うとゾッとするようになった。 そういう感覚で仕事をしていると、自分一人が会社内で浮いているような気がしてくるのだ。 そうなるとすべてが空回りしだし、そして最後に、この会社での使命は終わったというような感じがしてきたというわけだ。
そういう折に、店長との確執が決定的になった。 元々折り合いは悪かった。 何が気に入らないのか知らないが、店長はぼくに対し、あからさまに攻撃を仕掛けてきた。 最初は、ぼくのほうに何か落ち度があるのかと思っていた。 ところが、ある時、他人のミスをぼくのせいにしてしまったことで、それがぼくに対する嫌がらせであることがわかった。 そこで、ぼくの怒りが爆発した。 それ以降ぼくは、店長の攻撃に対し応戦するようになった。
使命感を感じなくなった仕事や、店長との確執など、自分の意思とはまったく関係のないところで、そうなっていったのだ。 そのため「これも運命がさせているのだろう」と思うようになった。 そして「運命なら仕方ない」と思い、ぼくは辞表を出したのだった。
さて、今の会社の流れは、前の会社の流れと大変よく似ている。 これまでぼくは専門分野に就いていた。 それがこの4月に、ぼくにとっては魅力のない部署に異動させられることになるのだ。 まったくいっしょである。 歴史は繰り返すと言うが、運命もまた繰り返すのだろうか。 これも運命だとするなら、ぼくは今の会社を辞めることになるのだろう。 だが、それについては、今のところ何も決断を下してはいない。
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