頑張る40代!plus

2006年01月24日(火) 記憶違い

小学6年生の頃、友だちと校区内にある池に遊びに行ったことがある。
山の絶壁を背景にして、その池はあった。
けっこうスケールが大きく、まるで山水画に出てきそうな風景だったと記憶している。
行ったのはその時が初めてだった。
近くにこんないい場所があるのかと、その時は感心しきりだった。
ところが、それ以降はそこに行ったことがない。
それっきり、その池の存在を忘れてしまったのだ。

その存在を思い出したのは、つい最近、昨年5月末のことだった。
鞍手の長谷観音に行った時に、大きな池を見つけた。
その池を見ているうちに記憶が蘇った。
「そういえば、小学生の頃に池に行ったことがあるけど、あの池は今どうなっているんだろう」
それ以来、その池のことが気になっていた。
休みを利用して、何度かそこに行ってみようと思ったのだが、いざ行くとなるとおっくうで、そのままになっていた。

そのままになっていた理由はもう一つある。
その場所は何となく憶えているのだが、なにせ行ったのは40年近く前である。
40代に入って、それまで記憶していた道が、実は記憶違いだったという経験を何度かしている。
そのため、6年生の頃の記憶が正しいのかどうか怪しくなっていたのだ。
「もしかしたら、あれは夢だったのかもしれない」、と思うことすらあるのだ。

さて、今日は休みだった。
特にすることもなかったので、久しぶりにそこに行ってみようと思い立ち、嫁ブーを誘ってみた。
行ってみたいと言うことだったので、散歩がてら、そこに歩いて行くことにした。
記憶を確かめるために、遠回りして小学校まで行き、そこから目的地に向かった。

途中までは、ぼくの記憶通り順調にいった。
ところが、途中からだんだん怪しくなってきた。
それもそのはず、当時田んぼがあったところが、宅地になってしまい、そのために新たな道がいくつも出来ており、そのために、記憶の中の道がどの道だかわからなくなってしまったのだ。
とはいえ、方向は間違ってない。
そこで躊躇せずにどんどん歩いていくと、そこに池らしきものが現れた。

「やはり記憶は間違ってなかった」と心の中で小躍りした。
ところが、どうも小学生の頃に見た池と違うような気がする。
まず、大きさが違うのだ。
あの頃見た池は、湖と思えるほど奥深く、山の絶壁まで続いていたものだ。
だが、目の前にある池は、ただのため池だった。
その山も違う。
たしかに山らしいものはあったが、それは山というより森だった。
しかも絶壁と思っていたところは、実はため池を作るために森を少し削ったところだったのだ。

どうやら、記憶違いだったのは、その行き道ではなく、その風景だったようだ。
ぼくの中にある山水画のような壮大なスケールのあの風景は、いったい何なのだろう。
やはり夢で見た風景だったのだろうか。


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