2005年12月26日(月) |
クリスマス・イブの前日 |
先日、嫁ブーの実家に行った時、ステンドグラスのような柄の長靴が置いてあった。 嫁ブーはそれを見て、「変わった色の長靴やねえ。誰が履いて来たんやろか」と言って首をひねっていた。 当然ぼくは知らないので黙っていた。
その後、食事も終り、みんなと談笑している時だった。 嫁ブーが思い出したように、「玄関に置いてあった長靴、誰の?」と訊いた。 すると、例のセレブな姪が「あれ、わたしの」と言った。 嫁ブー「変わった靴やねえ」 セレブ「あれね、元々買う気なかったったいね」 嫁ブー「あんた、買う気のないものをよく買うねえ」 セレブ「店で一番目立っとったんよ」 嫁ブー「ふーん。でも買う気なかったんやろ?」 セレブ「それなんよ。ちょっと面白がって履いてみたんよね。そしたら、脱げんようになったったい」
嫁ブー「それでどうしたと?」 セレブ「店の人呼んで、脱ぐの手伝ってもらったんよ」 嫁ブー「それで脱げたと?」 セレブ「いや、引っ張ったり空気入れたり、いろいろやってもらったんやけど、やっぱり脱げんとよ。それでしかたなくそれ買って、履いて帰ったんよね」
嫁ブー「家まで?」 セレブ「うん。それからが大変やったったい。どうやっても脱げんけん、靴の中にお湯入れてみたんよ」 嫁ブー「そうしたら脱げたと?」 セレブ「全然だめやん。それで、石けん水入れてみたったい。そしたら、スポッと取れたんよ」
嫁ブー「まるで指輪みたいやね。でも、あんた、よくそんな靴履いてここまで来たねえ」 セレブ「靴下履いとったら大丈夫なんよ」 嫁ブー「じゃあ、試し履きした時、あんた裸足やったと?」 セレブ「うん」 嫁ブー「あれ、もしかしてゴム製?」 セレブ「うん」 嫁ブー「裸足でゴム長靴なんか履いとったら、蒸れたやろ」 セレブ「うん、蒸れた蒸れた」 ‥‥‥
すでに深夜になっていた。 あたりはひっそりと静まりかえっている。 外では寒さが続いている。 そんなクリスマス・イブの前日、嫁ブーの実家では、いかにも臭そうな話が、延々と続いていたのだった。
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