お「何か聞きたいことある?」 小「聞きたいこと?」 お「何でもいいよ」 小「じゃあ、W3(ワンダースリー)の最終回はどうなるんですか?」 お「ああ、それはまだ知らん方がいい」 小「何でですか?」 お「30歳過ぎてからの楽しみがなくなる」 小「ちぇっ」
お「他にある?」 小「ぼく、大学に行くんですか?」 お「残念ながら、他の道を行くことになるよ」 小「他の道?」 お「うん。高校に入ってから、作曲したり、詩を書いたりするようになるんよ。それでね、大学に行く勉強をせんようになる」 小「作曲ですか?」 お「そう。加山雄三みたいにね」 小「じゃあ、加山雄三みたいになるんですか?」 お「頑張るけどなれん」 小「なーんか…」 お「でも、ずっと夢を見れるよ」
小「あっ、そういえば何ヶ月か前に友だちに本貸したんやけど、まだ戻ってこんのです。いつ戻ってくるんですか?」 お「ああ、覚えとるよ。別冊少年サンデーやろ」 小「うん」 お「残念やけど諦めたほうがいいよ。その友だちは39年経っても戻してくれんよ」 小「えーっ!?宝物なのに…」 お「おそ松くんやったよね」 小「うん」 お「でも、心配せんでいいよ」 小「何で?」 お「そのうち、もっと大切な本に出会うけ」
お「ところで、宿題すんだ?」 小「まだ」 お「お母さんに叱られるよ」 小「うん。お母さんうるさいけ」 お「そうやろ」 小「いいよなあ、大人は。宿題がないけ」 お「そうでもないよ」 小「じゃあ、おいちゃんは、仕事から帰ったら宿題しているんですか?」 お「宿題みたいなことはしよるよ」 小「何してるんですか?」 お「毎日パソコンの前に座っとるんよ」 小「パソコンって何ですか?」 お「パーソナルコンピュータ」 小「?」 お「電子計算機ってわかる?」 小「電気のそろばんですか?」 お「そんなところやけど…。ああ、電子頭脳ならわかるやろ?」 小「アトム」 お「そうそう」 小「パソコンって、アトムみたいなのですか?」 お「頭脳だけね」
小「そちらに、ロボットはいるんですか?」 お「いる」 小「やっぱり。じゃあ、空飛んだりするんですか?」 お「いや、飛ばんよ。歩いたり踊ったりはするけどね」 小「しゃべるんですか?」 お「しゃべるのもあるよ。でも、アトムみたいに人間の心を持ってないよ」 小「じゃあ、悪者なんですか?」 お「悪者じゃない」
小「宇宙とかに行けるんですか?」 お「お金出せば行けるらしいよ」 小「ふーん。じゃあ、月に都市とかはあるんですか?」 お「ないよ」 小「宇宙って、どこに行くんですか?」 お「地球の周りを回るだけみたいよ」 小「なーんか、月には行けんとか」 お「いや、月には行ったよ」 小「えっ!?」 お「あと3年したら行くよ。6年生の1学期の終業式の日は、早く帰ってテレビ見たらいい」 小「本当ですか?」 お「うん」
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