2005年10月16日(日) |
プレーオフ第2ステージ第四戦 |
プレッシャーがプレッシャーを呼ぶとでも言うのだろうか。 それまでうまくいっていたことが、プレッシャーでことごとく失敗していく。 それがまた次のプレッシャーに繋がる。 今日のロッテ勢を見て、ぼくはそれを強く感じた。
今日の勝因は、もちろんズレータの2発と、吉武の好リリーフにあった。 が、それ以上に、ロッテの各選手の顔が重かったことがあげられる。 西岡の顔が、サブローの顔が、福浦の顔が、昨日までと違って、今日はやけに重たかった。 第3戦の8回まであった、あの溌剌さを感じないのだ。 そこで、「今日もいける!」と思ったのだった。
とはいえ、冷や冷やの展開だった。 ロッテにチャンスが訪れるたびに、1,2戦の記憶がよみがえる。 「ここで2塁に進まれたら」、「ここで四死球を出したら」、「ここでタイムリーを打たれたら」、‥‥。 しかし、そういう思いを、ロッテ選手の持つプレッシャーが打ち消してくれる。
試合後半は、ロッテの好投手小林宏之から、ホークス打線はパーフェクトに押さえられた。 しかし、そのことを感じさせないほど、ロッテ選手のプレッシャーが目立った試合だった。
ここまできて、またしても一昨年の日本シリーズを思いだした。 1,2戦をものにしたホークスは、甲子園でまさかの3連敗、王手をかけられたのだった。 福岡ドーム(当時)に戻ってきたホークスは、ここで開き直り、 残り2戦に勝ち、日本一に輝いた。 どうも今回のプレーオフの雰囲気が、その時に似ているのだ。 ということで、「明日も勝つ」と言いたいのだが、昨年からロッテのいやらしさを嫌と言うほど味わってきたので、そういう宣言はやめておこう。
ところで、野球ファンなら誰でも知っている伝説がある。 いや、野球ファンならずとも、福岡県民なら誰でも知っているだろう。 うちの母親は、野球に関してはまったく音痴なのだが、この伝説だけはちゃんと知っている。 それは昭和33年の日本シリーズである。 西鉄ライオンズ、3連敗後の4連勝。 当時の人は、これを奇跡だと言った。 その奇跡を呼び起こした当事者である神様稲生が、今日の日刊スポーツで、昨日のホークスの勝ちを、その伝説の日本シリーズとダブらせて語っていた。 『勢いに乗ったチームと失ったチームの差は、自ずと出る』のだそうだ。 もしかしたら明日、伝説を見られるかもしれない。
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