2005年10月15日(土) |
プレーオフ第2ステージ第三戦 |
実を言うと、今日は試合を見たくなかった。 もし負けたりすると、その場面その場面の記憶が負けに繋がっているように感じて、やりきれなくなってしまうからだ。 しかし、それでも中継が始まると見てしまう。地元のテレビで中継が始まったのは、午後7時だった。 その時点で、試合は0-2、ホークス劣勢だった。 だが、なぜか今日はあまり気持ちが重くない。 というより、安心感があるのだ。 2年前の日本シリーズの時もそうだったが、ぼくがこういう気持ちになる時は、ほとんど勝っている。 そこで、期待して見ることにした。
5回を過ぎた頃だったが、優勝を意識してか、ロッテ勢がだんだん浮き足立ってきた。 ようやくぼくの前日の予想が当たってきたわけだ。
しかし、ロッテにはまだ勢いが残っていた。 8回に2点追加、とうとう0-4となってしまった。 さすがにその時は、これまでかと思った。 が、それでも、まだぼくの安心感は消えない。 「もしかしたら、もしかするかも」 そう思っていたが、3番宮地から始まるその裏の攻撃は、あえなく3者凡退。
ところが9回裏、ホークスの奇跡の攻撃が始まった。 1-4となり、2ー4となり、そして3-4となった。 とうとう1点差である。 今日ぼくは友人宅の不幸事で通夜に行ったのだが、斎場に着いた時が、ちょうどその場面だった。 とにかく、その回の攻撃が終わるまで、車から出られない。 2アウト満塁、ここでズレータがフォアボールを選び、同点に追いついた。 車の中で、ぼくは思わずガッツポーズをした。
しかし、ここで昨年のプレーオフの悪夢がよみがえる。 昨年の第五試合、9回裏で同点に追いつき、そのままサヨナラ逆転勝利かと思われた。 ところが、その場面に出てきたのが、今年と同じく極度の不振に陥っていた松中だった。 その成績が示すとおり、あえなく凡退。 その後、延長戦に入り、10回表に西武から勝ち越し点を入れられ、そのまま敗退したのだった。
今年も似たような場面である。 今日その場面に立ったのは、ここまで好調のカブレラだった。 「ここで決めてくれ」と、ぼくは念を込めた。 が、あえなく凡退。 「またあんなことにならなければいいけど…」と思ったが、相変わらず安心感が続いている。 そこで、ぼくはその安心感を信じ、車を降りて通夜に向かったのだった。
結果はご存じの通り(?)で、川崎の涙のお立ち台で終わった。 この勝利で、今まで胸の中につかえていたものが、スッと取れたような気がした。 明日も、明後日も、この調子で頑張ってもらいたいものだ。
ところで、嫁ブーの店では、ホークスが負けたら『感動をありがとうセール』をする予定だったという。 そのため、試合が終わるまで、社員は帰られなかったらしい。 通夜が終わって、その足で嫁ブーを迎えに行ったのだが、嫁ブーはなかなか店から出てこなかった。 後で理由を聞くと、9回表が終わった時点で、『感動をありがとう』と書いた吊下げポップを貼っていたそうだ。 ところが、ホークスが勝ってしまったため、いったん貼った吊下げポップを剥がさなければならなくなったというのだ。 だが、それについて文句を言う者は、誰一人いなかったらしい。 当然である。
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