【プレーオフ第2ステージ第一戦】 8月中旬頃から、ずっとこんな試合を見せつけられている。 いったい、シーズン前半に見せた、勝負を一気に決めるあの猛打線はどこに行ったんだろう。 実に歯がゆい。
確かに、第1ステージを連勝で制したマリーンズに勢いはあった。 だが、こういう短期決戦を何度も戦った経験のあるホークスのほうに分がある、と、ぼくは踏んでいた。 おそらくマリーンズの若手選手が、プレッシャーを感じているんじゃないかと思ったわけだ。 しかし、その期待は裏切られた。 逆にホークスの選手のほうが、プレッシャーを感じてしまったようなのだ。 どういうプレッシャーかというと、経験の重圧である。 経験の豊富さが、ここ一番のところで力みを生み、拙攻を繰り返したというわけだ。
杉内で落とした、ホークスのショックは大きい。 もしかしたら明日の斉藤も、連鎖反応でガタガタと行くかもしれない。 昨年に続いて、またしてもプレーオフに泣くのだろうか? いや、そうは思わない。 ただ、そうならないために、心がけなければならないことがある。 それは、『常勝軍団』だとか『リーグ1位通過』などというプライドは捨てる、ということだ。 そういうプライドが、「何が何でも勝たなくては」という心構えを生む。 その心構えが、一つ一つのプレーを縛りつけるわけだ。
では、どういう心構えで戦えばいいのかというと、それは「謙虚にチャレンジャーに徹する」ということだ。 「負けて元々」という気持ちが余裕を生むのだ。 その余裕こそが、力みを解放する唯一の手段である。 気楽な気持ちで、このプレーオフをロッテの選手以上に楽しんで欲しいものである。 自ずと結果はついてくるだろう。
【風をあつめて】 午前中、配達に行った。 その帰りのことだった。 ラジオから、ハッピーエンドの『風をあつめて』という歌が流れてきた。 そののんびりとした曲調に浸っていると、突然19歳の頃の心の風景がよみがえった。 つまり、心がタイムスリップしたというわけだ。
ぼくは今47歳だから、19歳というと28年前である。 その時、ぼくは何をやっていたのかというと、長い浪人時代の真っ最中だった。 奇しくも今日は、その頃やっていたアルバイトの最終日だった。 その時も、空は今日のように青かった。
あの頃は不遇な時期だったにもかかわらず、夢だけは人一倍持っていた。 『生活』『資金繰り』『リストラ』…、こういうことばかり考えている今とは、大違いである。
しかし、なぜ今19歳の頃なのだろう。 もしかしたら、運命が、ぼくの心をその原点である19歳の頃に戻して、自分を見つめ直せと言っているのかもしれない。 ということは、ぼくは今、人生の岐路に立たされているということになる。
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