頑張る40代!plus

2005年08月18日(木) 夏を嘆く

一昨日、今年初めてツクツクボウシの鳴く声を聞いた。
昨夜、今年初めてコオロギの鳴き声を聞いた。
今朝、吹く風の冷たさに目を覚ました。
そろそろ夏も終わりに近づいている。
48回目の夏も満足のいく夏ではなかった。
毎年こうである。
いつも何かをやり残している。
いや、夏を充分に満喫できていないのだ。

子供の頃は、いつも満足に海に行けなかったことを嘆いていた。
海に行く時は、いつも日帰りだった。
それも、多い年で2回、少ない年は1回しか行けなかった。
まあ、海のない地方の方にとっては1回でも贅沢な話だろうが、海水浴場までバスで20分以内、自転車で行ってもさほど時間のかからない場所に住んでいて、これは悲しい。
多い人は、5回も6回も行っていた。
また、泊まり込みで遠方の海に行く人もいた。
そういう人は日の焼け方が違う。
それをうらやましいと思っていたのだった。

学生の頃は、恋が芽生えなかったことを嘆いていた。
思春期になっても、やはり夏は特別な季節だった。
子供の頃のように、海に行きたいなどとはあまり思わなくなっていた。
ところが、それに代わって、やっかいなものに興味を示すようになった。
それは異性である。
けっこう多くの人が、夏休みに知り合った女の子と付き合うようになっていた。
しかし、ギターの練習ばかりやっていたぼくには、彼女が出来なかった。
というより、出会いがなかったのだ。
ギターの練習ばかりやってはいたものの、友人たちとはそこそこ遊んでいたが、そこには女子がいなかった。
それが致命的であった。
ということで、学生時代の夏は、やり場のない心の嘆きがあった。

社会に出てからはというと、夏が年間で一番忙しい仕事に就いてしまっため、夏を満喫する時間がなかった。
梅雨明けとともに、午前様の生活が始まる。
そう、エアコンが売れ出すのだ。
配達業者は全員でエアコン工事に取り組むので、他の商品の配達が出来ない。
そのため、営業時間が終わると社員は配達にかり出されるのだ。
少ない時で午後10時、多い時には午前2時になったこともある。
これが毎日毎日続き、その間休みも満足に取れなかった。
上司はよく「あと少しの辛抱です」と言っていた。
が、その辛抱が終わると、すでに夏は終わっているのだ。
「こんな夏を満喫できない会社なんて辞めてやる!」と思いながらも、その会社で11年を過ごした。
いよいよ辞める頃には、夏の楽しみ方を忘れていたのだった。

さて、40代後半である今でも嘆きはあるのかというと、大いにある。
もちろん、もう海とか彼女とか言う歳ではない。
では何かというと、それは季節のイベントを満喫できないことにある。
夏祭りしかり、花火大会しかりである。
県内では1ヶ月以上も夏祭りをやっているのに、その場所に行ったのは一回だけだ。
その一回だけで、「ああ、今年も夏が終わった」と思うのはむなしい。
また花火にしても、家から見える花火を鑑賞するだけで終わっているが、それで満足できるはずがない。
近郊の花火大会にはすべて現地に行って、間近で鑑賞したいのだ。
それでこそ、夏を満喫できるというものだ。
ということで、この嘆きは来年も続きそうである。


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