12日の日記にも書いているが、『吹く風』というのは、ぼくのオリジナルである『影枕』という曲の歌詞から採っている。 その日記を見た人から、「そのことは前にも書いていたからわかるんだが、いったい『影枕』というのはどんな曲なんだ?」と聞かれた。 あくまでもネット上での会話なので、「こういう曲です」と教えることも出来ない。
ということで、今日、久しぶりに録音機のスイッチを入れることになった。 今年の3月に『遙かな島に』を録音したのだが、それ以来のことである。 ぼくは機械に優しい人間ではないので、機械はその時から出しっぱなしで、機材はすべて埃まみれになっていた。
ぼくはそんなことに頓着せず、埃まみれになっている機材をセットした。 そして、音が漏れないように窓を閉め、録音を開始した。 ところが、何度やってもだめだった。 歌は何とかごまかせるが、ギターのほうが思うようにいかないのだ。 それもそのはず、この曲はフィンガーピッキング奏法だが、ただのフィンガーピッキングだと面白くないので、所々におかずをつけている。 そのおかずがややこしいのだ。 つまり、練習してないとうまく弾けないのである。 この曲をまじめに練習したのは、おそらくこのアレンジを作った時だけだったと思う。 ということは、25,6年前か。
ぼくはこの曲に重要性を持ってなかった。 そのため、それ以降は惰性で弾いていた。 これが致命傷となった。 何度やっても出来ないのだ。 「やっぱり録音はやめよう」と一度は思った。 が、今度いつ、録音する気になるかわからない。 ということは、いつまで経っても、「こういう曲です」と教えることが出来ないことになる。 そこで、何度も何度も失敗しながら、録音したのだった。
数時間後、何とか間違わずに演奏が出来たので、そこから編集を始めた。 ところが、デジタル録音機で録音したのに、なぜか「シー」というヒスノイズが入っていた。 イコライザーでこれを取り除くと、えらく音が小さくなり、音がこもってしまった。 しかし、もう録音は嫌である。 ということで、「これで良し」ということにした。
不本意ながら、いちおう出来上がった演奏をリンクしておきます。 『影枕』とはこういう曲です。
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