一昨日、嫁ブーの実家に行った。 お盆と姪の誕生日を兼ねて、パーティをやるというので招待されたのだ。 その日はぼくも嫁ブーも仕事だったので、遅れての参加になった。 ぼくたちが着いた9時頃には、すでにパーティは終わっており、参加した嫁ブー一族は、他の部屋で遊んでいるのか、ごろ寝している義母を除いてはそこにはいなかった。 ぼくと嫁ブーは、一族との語らいのないまま、残り物を口にしたのだった。
それを食べ終わると、もう何もやることがない。 嫁ブーは自分の実家なので、気兼ねなく立ち振る舞いが出来る。 案の定、みんながいる部屋に行って談笑していた。 しかし、外様であるぼくにはそれが出来ない。 嫁ブーを置いて、さっさと家に帰ろうとも思ったのだが、それも出来ない。 しかたなく、ごろ寝している義母の横で、ぼくは一人テレビを見ていることにした。
ぼくが来ていることを知った甥や姪が、時折顔を見せるのだが、ぼくのそばまではやってこない。 彼らはつい数年前まで、「しんにいちゃん、しんにいちゃん」と言って、ぼくにまとわりいてきていたのだ。 やはりこれも月日の流れで、仕方のないことなのだろうが、ちょっと寂しさを覚えた。
また、嫁ブーの兄弟たちとは、挨拶程度しか言葉を交わさなかった。 別に話すのを嫌っているわけではないのだが、どうも話の接点が見あたらないのだ。 共通の話題や、共通の趣味を持ち合わせているのなら、話も弾むだろうが、そういうものは一切ない。 彼らは、小さい頃の思い出話や、それぞれの友人の話、またその地域の話を好んでする。 それについて行けない。
11時を過ぎたので、そろそろ帰ろうと思った。 ところが、肝心の嫁ブーがいない。 兄弟たちとの談笑が続いているのだ。 もちろん、そこに行って「おい、帰るぞ」と言えばすむ話である。 だけど、それは出来ない。 「もうちょっと待ってね。すぐ終わるけ。あ、しんちゃんもここに加わればいい」などと言われたら、事であるからだ。 聞きたくもない小さい頃の思い出話や、それぞれの友人の話や、地域の話を聞かされることになるのだ。 しかたなく、テレビを見続けることにした。
嫁ブーが部屋から出てきたのは12時前だった。 ぼくは嫁ブーに、「おい、帰るぞ」と言った。 ぼくがそう言うと、嫁ブーは壁に掛けている時計を見た。 「えっ、もう12時やん。何で教えてくれんかったんね」 『誰がそんなことするかっ!!』とぼくは心の中で言った。
ということで、嫁ブーの家にいた3時間の間、ぼくはずっと一人でテレビを見ていたのだった。 帰ってから、あわてて日記に取り組んだが、気疲れしたせいで、あえなく撃沈。 結局、朝の更新になってしまった。
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