風は西から吹いていた。 ということで、西の空を見てみると、ちょうど山頂と同じ高さのところに、黒い雲団があった。 それが雲を送りつけてきていたのだ。 その雲が山頂を覆う。 雲に覆われるということは、つまりは雲の中にいるということである。 ということで、ぼくは生まれて初めて、生身で雲の中を体験することになった。
いったい、雲の中がどうなっているのかというと、簡単に言えば煙の中にいるようなものである。 ただ、煙のような煙たさはなかった。 あたりは霞み、何となくひんやりとした雰囲気だ。 そのひんやりの原因は、微かな水滴だった。 雲の中にしばらくいると、着ていたTシャツがジトーとしてくるのだ。 山頂にある手すりなども、微妙に濡れている。 ということで、別にそこにカミナリ様や仙人が住んでいるわけではことがわかった。
その雲の中で、ぼくは写真を何枚か撮った。 まず夜景を撮ったのだが、霞んで画になっていない。 そこで、山頂の上にかすかに浮かんでいる、三日月を撮ることにした。 ところが、雲が流れているせいで、月が揺れて見えるのだ。 結局撮った写真は、下のようになってしまった。
さて、その後リフトで山上駅まで降り、灯籠まつりを見に行った。 今年も何点か、気に入った画があった。 ということで、今年も上げておくことにする。
皿倉山灯籠まつり2005
|