最後の歯の治療は、5月26日の記事にあるように、左下の親知らずだった。 元々冠をかぶせていたところだったのだが、冠が若干浮いていたので、そのことを先生に言うと、「今ついているやつを外して、新しい冠をかぶせましょう」ということになり、ついている冠を外してみると、見事に虫に食われていた。 そこで、。1ヶ月以上かけて、その歯を治療したわけだ。
治療でその歯はどんどん削られていき、その高さは歯茎と平行にななってしまった。 そのため、その歯でものを噛むと、歯茎で噛んでいるような気がしたものだった。 それがどうも気持ち悪いので、極力そちらの歯で噛まないようにしていた。
さて、その歯の治療は、新しい冠をかぶせることで終わったのだが、その冠を初めてかぶせた時のことだった。 先生が「軽く噛んでみてください」と言った。 言われるまま軽く噛んでみると、何となく痛い。 先生は「高いですか?」と聞く。 痛みが歯の高さのせいで起こると思ったぼくは、「ちょっと高いですね」と言った。 「そうですか」 そう言って、先生は冠を外し調整した。 そして数分後、調整した冠を再びかぶせ、「軽く噛んでみてください」と言った。 しかし、痛い。 「高さはどうですか?」と先生が聞くので、ぼくは「高さはいいみたいなんですけど、ちょっと痛いです」と言った。 「痛いですか?」 「はい」 「どうした時痛いですか?」 「噛んだ時です」 「ああ。それは1ヶ月以上、その歯を使ってなかったからですよ」 「そうなんですか?」 「ええ。使ってないと、どうしても歯が浮いてくるんですよ。それを上の歯で押さえたものだから、痛みが走る」 「はあ。で、痛みは治まりますかねえ?」 「大丈夫です。使っているうちに浮いた歯は元に戻りますから」
治療が終わったあとも痛みは続いた。 だが、先生の言ったように使っていくしか痛みを治す方法がないのなら、どんどん使って早く元に戻さなければならない。 そこで、何度も何度も力を入れて噛みこんでいった。 その反動からか、翌日は治療中より痛くなっていた。 が、それは歯茎が疲れたせいだろう。 その日の午後には痛みは治まっていた。 とはいえ、治療中に感じた痛みはまだ残っていた
それ以降、徐々に痛みは減っていったものの、今日現在まだ少しの痛みが残っている。 冠をかぶせて一週間経つのだが、あまりに治りが遅いので、最初はちゃんと治療が出来てないのかと疑っていた。 が、よくよく考えてみると、その歯を使ってなかった期間というのは1ヶ月ではなかったのだ。 その上にある親知らずが割れて神経が飛び出してから使ってなかったのである。 ということは、20年以上になる。 きっと、かなり浮いていたのだろう。
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