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2005年06月17日(金) 車が欲しい(前)

先日、会社に行く途中に、車のブレーキを踏んだ時、ブレーキが「キーキー」と鳴いたあとに、「ブーン」という鈍い音が聞こえた。
「キーキー」音は以前からあったが、そのあとの「ブーン」音は初めてである。
最初は別に気にはならなかったのだが、だんだんその音が大きくなっているように思えてきた。
虫歯と同じで、このままで放っておいたら、後日大変なことになるかもしれない。
そう思ったぼくは、会社に着いてから、さっそく知り合いの修理屋さんに電話をかけてみた。
「ブレーキがおかしいみたいなんですけど」
「どういう状態?」
ぼくは、上記のことを説明し、「明日か明後日でいいですから、来てもらえませんか?」と言った。
「いや、ブレーキやけ、すぐにでも修理せないけん。今日行きますから」
「そうですか、じゃあ、お願いします」
ということで、2時間後に、修理屋さんはやってきた。

「ああ、ブレーキパッドが薄くなっとるねえ」
「8月まで、何とか持ちませんかねえ」
「まあ、この状態やったら今日明日でどうかなるわけじゃないけど、何せブレーキやけねえ。出来るだけ早くやったほうがいいよ」

ぼくが修理を渋ったのにはわけがある。
今、急に「はい、修理です」と言われても、お金がないのだ。
なぜ8月まで持たないかと言ったのかというと、実は8月に車検を受けなければならないのだ。
それはあらかじめわかっていたことだから、そのための貯金をしている。
その貯金はちょうど8月に満期になる。
だから、その時まで延ばしたかったわけだ。
それと、車検と絡めれば、修理代も少しは安くあがるだろうと思った、ということもある。
だが、「早めにやったほうがいい」と言うなら仕方がない。
ぼくは渋々ブレーキパッドの取り替えに応じた。
「せっかく修理するんやけ、スモールランプとブレーキランプを替えとって下さい。あとオイル交換もお願いします」

ということで、ぼくは日にちを指定して、修理屋さんに会社まで車を取りに来てもらった。
数時間後、車は戻ってきた。
「もう大丈夫と思うけ」
と、修理屋さんは、今回の修理内容を細かく説明した。
しかし、車のことに疎いぼくは、何を言っているのかがわからなかった。

ぼくの関心事は、ただ一点だった。
「で、いくらかかったんですか?」
「1万5千円」
「1万…、5千円…」
安くしてくれたし、車の修理代としては、このくらいは普通だろうとは思う。
とは思うが、払うとなるとこの額はきつい。
しかも給料前である。
『これがあれば、ステレオ購入の頭金になる』
そう思いながら、ぼくは渋々お金を払ったのだった。


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