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2005年06月16日(木) ステレオが欲しい

ぼくの家にはオーディオコンポがない。
昔風に言えば、ステレオがないのだ。
いや、厳密に言えばあるのだが、7,8年ほど前に壊れて、そのままになっている。
そのため、CDはカーステレオかパソコンで聴いている。
カーステレオはともかく、パソコンで聴くCDなんて味気ないものである。
モニターに内蔵されたスピーカーで聴くと音は悪い。
そこでヘッドホンを使っているのだが、ある程度以上の音域になると、音が割れてしまう。

例えば、『歌のおにいさん』で公開している歌は、編集の際にヘッドホンを通してしか聴いてないので、実際どういう音が出ているのかがわからない。
かといって、いちいちCDに焼き付けて、カーステレオで試聴する気も起こらない。
ということで、音が割れるところがあっても、「この歌はこういうもんだ」とか、「ステレオで聴けば、ちゃんとした音になっている」などとと決めつけて、そのまま上げることにしている。
もし、『歌のおにいさん』を聴いて、「何かこれ、音が悪いやん」と思っても、上のような理由があるので、勘弁してください。
しかし、ステレオがほしいなあ。

ところで、ぼくのような音楽好きな人間の家に、ステレオがないのも珍しい。
幼い頃、初めて買ったレコードである『スーダラ節』を聴いたのは電気蓄音機だった。
小4の時に買った『ヘイジュード』も、小5の時に買った一連のタイガースのレコードも、小6のの時に買った『嘆きのボイン』も、すべて電蓄で聴いたものだ。
中2の時に買った『木枯し紋次郎』の主題歌も、同じく電蓄で聴いた。
高校に入ってからは、吉田拓郎やボブ・ディランのレコードを買い漁るようになったのだが、その時も電蓄で聴いた。
そう、ぼくの家には、ぼくが就職するまで、電蓄しかなかったのだ。

友人たちの家には、けっこういいステレオが揃っていた。
その友人たちの家に遊びに行くたびに、指をくわえてステレオを眺めていたものだ。
「おい、このステレオ、いくらするん?」
「全部で40万円くらいやったねえ」
40万円である。
高校生の身分で買える代物ではない。
そして、「働きだしたら、絶対にいいステレオを揃えてやる」と思っていたのだった。

ということで、初給料で買ったものはステレオだった。
しかし、ステレオと言っても、手取り10万円そこそこしかない身分だったから、40万円もするような機種が買えるはずもない。
そのため、買ったものはラジカセに毛の生えたようなものだった。
いや、実際ラジカセだったのかもしれない。
なぜなら、レコードプレーヤーが付いてなかったからだ。
レコードプレーヤーを買い足したのは、それから1年後のことだった。

初めてちゃんとしたステレオを買ったのは、それからなおも時を経た、今から10年ほど前のことだった。
ソニー製の立派な作りのヤツで、音もまあまあだった。
ところが、それは2年も持たなかった
フロントパネルにある液晶画面がつかなくなってしまったのだ。
そのため、今どんな作業をしているだとか、CDの何曲目を聴いているだとかがわからない。
まあ、聴けないこともなかったので、そのまま使っていたが、だんだん音すらも出てこなくなった。
その後、小振りのステレオを買ったのだが、すぐに人に売ってしまった。
で、今はというと、冒頭に書いたとおりで、壊れたステレオが部屋の一角を占めている。
きっとぼくは、ステレオに縁のない人間だったのだろう。


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