頑張る40代!plus

2005年01月29日(土) 歯医者その後(中)

そこで我慢が始まった。
待っていれば、看護婦さんがイスを起こして、「うがいして下さい」と言うだろう。
しかし、そういう時に限って、時間というものは長く感じるものである。
実際、その待ち時間は2,3分くらいのものだった。
にもかかわらず、ぼくには10分、いや20分くらいにも感じたのだった。
その間何度もつばを飲み込もうとしたものだ。

ようやく看護婦さんがイスを起こした時、ぼくは真っ先に、口にたまっているつばを吐き捨てた。
これで一安心、と思っていたら、また新たな疑問がぼくの頭の中で渦巻いた。
「もしかしたら、つばのせいで液体の効果がなくなったのではないか…?」

その疑問が当たっていたかどうかはわからない。
が、その後の注射はかなり痛く感じたものだった。
しかも、針を刺している時間が長い。
先生は時間かけて、ゆっくりと麻酔を注入しているのだ。
神経が過敏になっているせいか、麻酔が歯ぐきの中に入っていくのがわかる。

その注射も、もうすぐ終わりかなと思った時だった。
またもや液体が舌に落ちてきた。それも大量に。
一瞬、何だろう?と思ったが、よく考えてみると、これは麻酔液以外の何ものでもない。
おそらく、歯ぐきの中に収まりきれなかった麻酔液が逆流してきたのだろう。
その味はというと、これがかなり苦い。
塗り薬は若干の甘さを感じたものだが、麻酔液には若干ほどの甘さもない。

ここでまた我慢が始まった。
今度は量が多すぎて、つばで薄めるなどということも出来ない。
ということは、濃度100%ということだ。
こういうのを飲み込んでしまったら、食道や胃はどうなってしまうのだろうか?
やはり相当時間しびれるのだろうか?
ああ、そうだった。
食道や胃だけではない。
水を飲んだ時に、その水が通る箇所すべてがしびれていくわけだ。
そこには、腸があり腎臓があり、膀胱がある。
腸や腎臓がしびれた状態…、ちょっと想像できない。
が、膀胱がしびれた状態というのは、何となくわかる。
尿がたまっても、何も感じない。
そして、気がつけば漏らしていた…、などということになるのだろう。

ぼくは麻酔液がのどに行かないように、必死に舌で塞いでいた。
ところが、そこに新たな敵が現れた。
鼻水である。
実は数日前から、若干鼻風邪気味だったのだ。
ずっと上を向いた状態だったため、鼻水がのどに落ちてきたのだ。
鼻水が落ちてくると、のどは反射的にそれを飲み込もうとする。
それにまた神経を遣わなければならなくなったのだ。

一方の先生はというと、相変わらずぼくの口に手を当てている。
まだ注射をしていたのだ。
最初は痛みを感じていたものの、その時には、すでに痛みを感じなくなっている。
ぼくは、『先生、もう麻酔は効いてきますから、注射をやめて、うがいをさせて下さい』と心の中で懇願していた。


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