頑張る40代!plus

2005年01月22日(土) 上京前夜(15)

○日、仕事が終わってから、ぼくたちは打ち上げ会場に集合した。
Kさんはぼくをダシに、Oさんと話している。
「こいつから『Oさんとつき合いたい。Kさん、どうにかならんかねえ』と相談受けたんよ。おれは『年上やけやめとけ』と言うたんやけどね。ちょうどその頃、X子という井筒屋のアルバイトの女子高生が、おれのところに『しんたさんとつき合いたい』と言ってきたんよ。そのことを伝えると、しんたは『おれにはOさんしかおらんけ、X子にそう言うとって』と言う。しかたなく女子高生には断りを入れたんやけど、おれはその子のほうが、しんたにはお似合いだと思った…」
ぼくはそれを聞いて、『何が、しんたにはお似合いだ、だ。全然話が違うやないか』と思っていた。
X子のことは、ぼくが断ったのではない。
Kさんが勝手に断ったのだ。
それも、そのことをぼくに伝える前に。

一方のOさん。
「あの夜ねえ、Yさんと帰っていたら、突然後ろからバシッと肩を叩かれてね。びっくりして顔を見てみたら、しんた君やったんよ。『何か用?』と聞くと、『ねえ、つき合って』やけね。そんな口説き方はないやろ。女の子は、デリケートなんやけ」
それを聞いてKさんは言った。
「えっ、肩をバシッと叩かれたと?」
「うん、痛かったよ」
「そうね、そんなことしたんね。しんたは変っとるけねえ」
そんな二人のやりとりを聞いていて、だんだん面白くなくなってきたぼくは、持ってきたギターを引っ張り出して、歌を歌っていることにした。

ところで、二人のやりとりを見ていて思ったのだが、OさんのKさんに対する態度は、ぼくのそれとはまるで違うものだった。
ぼくと話す時は、やはり年上という意識からなのか、「ああしなさい、こうしなさい」というように命令口調になることが多い。
ところが、Kさんには甘えるような口調で話している。
そういう会話を聞きながら、ぼくは『Oさんは年上のほうが好きなんだろうな』と思った。
そして、『この人たちは、このままつき合っていくんだろうな』と思ったものだった。

ところが、どうもそうではなさそうなのだ。
お酒が回るうちに、Oさんは「Iさん」という名前を口にするようになった。
どうやらOさんは、バイト仲間の一人であるIさんのことが好きらしい。
Kさんも、会話の途中にそのことに気づいたようだった。

IさんはF大の4年生だった。
浪人して大学に入ったのだろうか、歳はKさんより一つ上だった。
背が高く、甘いマスクをしたIさんに、Oさんは前から憧れを持っていたようだった。
Iさんはギターを弾くとかで、ギターをいじっているぼくに、何度も話しかけてきた。
Oさんは、その都度Iさんを目で追っていた。

Kさんといえども、Iさんが相手だとかなわないと思ったのか、急に「おれが仲を取り持ってやろうか」などと言いだした。
そして、宴会の最後には、「おれに任せとき!」と胸を叩いていた。


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