頑張る40代!plus

2005年01月19日(水) 上京前夜(13)

告白の翌日、予想通りKさんはぼくに「昨日、どうやったか?」と聞いてきた。
ぼくは平然とした顔をして、「ふられたよ」と言った。
「ふられたか…。何と言ってふられたんか?」
「友だちならいいよと」
「そうか、友だちならいいよか。ハハハ」
「笑い事じゃないっちゃ」
「そうやのう。おまえはふられたんやけ、それどころじゃないよのう。でも心配するな。おれが次の人を探してやるけ」
紹介されたら、またぼくはKさんから『告白しろ攻撃』を受け、あげくに一本道を息を切らしながら走らなければならなくなる。
そこでぼくは、「もういいです」と言って断った。
「そうか。もう女はいらんか?」
「そう言う意味じゃなくて…」
「わかった。じゃあ、もう世話するまい」
「そうして下さい」
「じゃあ今夜は飲みに行こうかのう。残念会をしてやる」

その夜、朝の言葉通りに、Kさんはぼくを飲みに連れて行ってくれた。
そこそこ酔いが回った頃だった。
Kさんは、ぼくにまた難題をふっかけてきた。
「そろそろクリスマスやのう」
「うん」
「それにしても、おまえは惨めやのう。クリスマス前にふられるとか」
「もうその話はせんで」
「ああ、悪い悪い。ところで、クリスマスということは、もうすぐこのバイトも終わると言うことやのう」
「そうやねえ」
「そこで、おまえに相談があるんやけど」
「えっ?」
「日にちはまだ決めてないんやけど、今度バイト仲間で打ち上げしようと思っとるんよ」
「ふーん」
「で、メンバーはいつもの6人なんやけど、何ならOさんたちも呼んだらどうかと思っての」
「えっ?」
「いやか?」
「いや、別に」
「そうか。おまえが嫌なら呼ぶまいと思ったけど、おまえはOKなんやの。じゃあ、話は早い。おまえ、Oさんたちを誘ってくれんか?」
「えーっ、Kさんが誘えばいいやん」
「おれはOさんとは別に親しい間柄ではない。その点おまえは友だちやないか」
「・・・。友だちと言ったって、あれはふる時の常套句やないね」
「常套句でも何でも、Oさんは『友だちならいい』と言ったんやろ?」
「そうやけど…」
「じゃあ、友だちやないか」
「・・・」
「いつにしようかのう…」
Kさんは手帳を開いて、自分のスケジュールをチェックしだした。

しばらく考え込んでいたが、ようやく決めたようで、「よし、○日にしよう」と言った。
「えっ、○日?あと3日しかないやん」
「おう。しかたなかろうが。その日しか空いてないんやけ」
「おれは他の人を誘うけ、おまえはちゃんとOさんたちを誘うんぞ」
「・・・」
「何、心配するな。友だちの頼みなんやけ、ちゃんと聞いてくれるっちゃ」


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