告白の翌日、予想通りKさんはぼくに「昨日、どうやったか?」と聞いてきた。 ぼくは平然とした顔をして、「ふられたよ」と言った。 「ふられたか…。何と言ってふられたんか?」 「友だちならいいよと」 「そうか、友だちならいいよか。ハハハ」 「笑い事じゃないっちゃ」 「そうやのう。おまえはふられたんやけ、それどころじゃないよのう。でも心配するな。おれが次の人を探してやるけ」 紹介されたら、またぼくはKさんから『告白しろ攻撃』を受け、あげくに一本道を息を切らしながら走らなければならなくなる。 そこでぼくは、「もういいです」と言って断った。 「そうか。もう女はいらんか?」 「そう言う意味じゃなくて…」 「わかった。じゃあ、もう世話するまい」 「そうして下さい」 「じゃあ今夜は飲みに行こうかのう。残念会をしてやる」
その夜、朝の言葉通りに、Kさんはぼくを飲みに連れて行ってくれた。 そこそこ酔いが回った頃だった。 Kさんは、ぼくにまた難題をふっかけてきた。 「そろそろクリスマスやのう」 「うん」 「それにしても、おまえは惨めやのう。クリスマス前にふられるとか」 「もうその話はせんで」 「ああ、悪い悪い。ところで、クリスマスということは、もうすぐこのバイトも終わると言うことやのう」 「そうやねえ」 「そこで、おまえに相談があるんやけど」 「えっ?」 「日にちはまだ決めてないんやけど、今度バイト仲間で打ち上げしようと思っとるんよ」 「ふーん」 「で、メンバーはいつもの6人なんやけど、何ならOさんたちも呼んだらどうかと思っての」 「えっ?」 「いやか?」 「いや、別に」 「そうか。おまえが嫌なら呼ぶまいと思ったけど、おまえはOKなんやの。じゃあ、話は早い。おまえ、Oさんたちを誘ってくれんか?」 「えーっ、Kさんが誘えばいいやん」 「おれはOさんとは別に親しい間柄ではない。その点おまえは友だちやないか」 「・・・。友だちと言ったって、あれはふる時の常套句やないね」 「常套句でも何でも、Oさんは『友だちならいい』と言ったんやろ?」 「そうやけど…」 「じゃあ、友だちやないか」 「・・・」 「いつにしようかのう…」 Kさんは手帳を開いて、自分のスケジュールをチェックしだした。
しばらく考え込んでいたが、ようやく決めたようで、「よし、○日にしよう」と言った。 「えっ、○日?あと3日しかないやん」 「おう。しかたなかろうが。その日しか空いてないんやけ」 「おれは他の人を誘うけ、おまえはちゃんとOさんたちを誘うんぞ」 「・・・」 「何、心配するな。友だちの頼みなんやけ、ちゃんと聞いてくれるっちゃ」
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