頑張る40代!plus

2005年01月17日(月) 上京前夜(12)

こうなれば善は急げだ。
さそっく行動に移した。
ぼくたちの距離は300メートルほど離れていた。
そこでダッシュで追いかけた。
その間、何と言おうかと考えていた。
が、何も思いつかなかい。
「こうなりゃ出たとこ勝負だ」と思った。
そして、Oさんに追いつくと、その肩を叩いた。
Oさんはぼくのほうを向いた。
何がなんだかわからない様子だった。
が、ぼくの顔を確認して、少しホッとしたような表情をした。
それを見てぼくは、「つき合って下さい」と言った。
Oさんは、別段驚いているふうでもなく、「突然そんなことを言われてもねえ…」と答えた。
ぼくは、そこから何と言っていいのかわからなくなった。

数秒の沈黙の後、Oさんが口を開いた。
「あなたいくつ?」
「今20歳やけど」
「何ね、年下やないね」
Oさんは、まったくぼくには興味がなかったようで、隣にいた女性Uさんと、顔を見合わせて笑っていた。
どうやら、これで断ってくれると確信したぼくは、「だめ…よね?」と念を押してみた。
するとOさんは、「友だちということではいけんの?」と言った。
「友だちか…」
「だめ?」
「いやいいけど」
「じゃあ、友だちやね。じゃあね」
そう言うと、Oさんはさっさと歩き出した。

その後ろをぼくは、ゆっくりと歩きながら、内心ホッとしていた。
予定通り断られたのだ。
元々好きでもなかった人だから、ふられても落ち込む必要がない。
これでKさんの執拗な攻撃を受けることはなくなるだろう。

しかし、どうして女は男をふる時に、『友だち』という言葉を使うのだろうか。
ぼくは、これまで何度かこの言葉に泣かされている。
彼女たちのいう『友だち』とは、いったい何なのだろう?
どこまでが許されるのだろうか?
電話をかけてもいいのだろうか?
映画に誘ってもいいのだろうか?
食事に誘ってもいいのだろうか?
そのへんがよくわからないのだ。
いや、もしかしたら、『友だち』と言っている本人にもわからないのではないか?
ま、体のいい断り文句だと言えば、それまでだが。

では、もし彼女たちがOKする時、いったいどういう言葉を使って、男を受け入れるのだろうか?
「はい」のひと言だろうか?
涙の一つでも見せるのだろうか?
それとももったいつけて、「考えさせて」などと言うのだろうか?
ぼくにはうまくいった経験がないので、そのへんがよくわからない。

そう言うと、「嫁さんはどうだったんだ?」と聞く人も出てくるだろう。
嫁さんとは、帰る方向がいっしょだったため、いつも帰りがいっしょになった。
それがいつの間にか、つき合いに発展したものである。
だから、別に「つき合って」などということはなかったのだ。


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