頑張る40代!plus

2005年01月12日(水) 震度2

午後2時過ぎだった。
ぼくが荷出しをしていると、突然「ズン!」という鈍い音がして、腹を突き上げられるような衝撃が走った。
ぼくの脳裏にひとつの言葉が浮かんだ。
『地震』
すぐさまぼくは、近くいたパートさんを捕まえて、「ねえ、今、地震があったやろ?」と聞いた。
するとパートさんは、「えっ、全然揺れてないよ。何かと勘違いしたんやないと?」と言った。
『いや、そんなことはない、あれは絶対地震だ』と思ったぼくは、大勢人がいる化粧品売場に確認しに行った。
「ねえ、今、地震があったやろ?」
ところが、化粧品売場にいた美容部員たちは、「地震なんてないですよぉ。しんたさん居眠りでもしてて、寝ぼけてたんじゃないんですか?」と言って笑った。

ぼくはその後も何人かの人に聞いて回ったのだが、「揺れてないよ」とか、「店が老朽化して、揺れたんかねえ」とか、「どこかで事故でもあったんやないんね」とか言って、誰も相手にしてくれなかった。

『こうなりゃテレビの地震速報だ』と思い、ぼくはテレビのあるところに行った。
ところが、どのチャンネルも地震速報なんて流していない。
『やっぱり、地震じゃなかったんかなあ?でも、おれは寝ぼけてなんかいなかったぞ』
そう思った時だった。
携帯の着信音が鳴ったのだ。

しかし、それはニュース速報の着信音として設定している音ではなかった。
普通のメール用に設定している、単純な「リーン、リーン」という音だった。
こんな忙しい時に何だろう、と思いながらメールを開いてみると、何とそこには『各地の地震情報』という文字があるではないか。
『やっぱり地震やった』
そう思ってメールを読んでみると、今回の地震の震源地は福岡県福岡地方で、津波の心配はないということだった。
さらに、最大の震度は2で、筑豊地方がその震度2を味わった地域になっていた。
『ところで、北九州地方はどうなっているんだ?』
と見てみると、震度1のところに八幡西区の文字が見えた。

そのメールを何度か読み直して、地震があったのは間違いないと確信してから、先の化粧品売場に行った。
そして、そこにいた美容部員を捕まえて、
「やっぱり地震やったぞ」と言った。
「えっ、そうだったんですか。何も感じんかったけ、てっきりしんたさんが寝ぼけているんだと思ってた」
「アホか。どっちが寝ぼけとるんか。便所に行って顔洗ってこい!!」
それからぼくは、地震があったことを、会う人会う人に言って回った。

しかし、たった2センチの積雪で交通渋滞に陥ったり、こちらにほとんど影響のなさそうな台風で学校を休校したり、と何かと大げさな県民性であるがゆえに、震度2程度の地震でも大騒ぎになると思っていた。
ところが、ぼくが「あの衝撃はすごかった。何せ、縦揺れだったんだから」と言っても、出てくる言葉は「へえ」だけだし、「今まであんな地震に遭ったことがない」と言っても、「そうなん」と軽く流すだけである。

それは、何もぼくの回りだけではない。
テレビのローカルワイドでも、ちょっと地震に触れた程度で、ほとんど感心がないようだった。
それよりも、隣の晩ご飯や、お料理コーナーのほうが大切なのだろう。

結局、地震で大騒ぎしていたのは、ぼく一人だったわけだ。
つまらん。


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