頑張る40代!plus

2004年11月21日(日) 左遷(2)

そこまで連れてこられると逃げるわけも行かず、ぼくは渋々店長室のドアを開いた。
そこには新店長以下、店長一派のお歴々が集まっていた。
新店長はぼくを下げずんだ目で見て、「何しにきたんか」と言った。
「いちおう、朝礼を乱したことを詫びようと思いまして…。すいませんでした」
そう言って、ぼくは下げたくもない頭を下げた。
そして、「でも、ぼくは自分の言ったことは正しいと思ってますから、意見を曲げようとは思いません」と言った。
「おい!」
店長の口調が変った。
「おまえ、朝礼の場がどういうところかわかっとるんか」
「だからそのことを謝りに来たんです」
「そうか、じゃあこれからおまえの行動をよく観察させてもらう。もしまたこんなことがあったら、その時はわかっとるやろうの」
そういうと店長は、「もういい。行け」と言って、ぼくを追い出した。
ぼくはカチンと来て、部署に戻る時に通路の壁を一発殴った。

だいたい、ぼくは最初から、その店長が嫌いだったのだ。
エリート意識旺盛なのか、何となく気障で、人を見下すようなことばかり言っていた。
最初の頃こそ合わせていたものの、だんだんそれが馬鹿らしく思えてきたところだった。

それ以降、ぼくはスパイにつけ回されることになる。
「『その日しんたが何をした』ということを、逐一店長に告げ口する奴がおるけ、気をつけたほうがいいよ」とある人が言ってきたのだ。
「おれ、何も悪いことしてないけ、別にかまわんよ」
そうは言ったものの、やはりつけられていると思うと、あまりいい気持ちはしない。
しかも、その後の情報によると、どうもそのスパイは、あることないことを店長に吹き込んでいるようなのだ。

ある日、「しんちゃん、あんた部下と出来とると?」と聞いてきた者がいる。
「は?誰がそんなこと言ったんね?」
「事務所で噂になっとるよ」
「噂?その噂を流しよるやつの名前を一人一人言うてみ。文句言うてくるけ」
ぼくが怒っているのがわかったのか、相手は「いや、あくまでも噂やけ」と言って、その場から逃げていった。
『もしかしたら、あいつがスパイなのかもしれない』
ぼくはその時、そう思った。

数日たって、今度は他の人間が同じことを言ってきた。
今度は話がエスカレートしていた。
「しんちゃん、あんた部下に手を出したらしいね」
「えっ?前にも○○が同じようなことを言うてきたけど、あいつが言うたんね?」
「いや、かなり噂が広まっとるよ」
「もういい加減にしてくれ!」


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