昨日の日記、最初は被害者である香田さんのことを茶化して書いていた。 何とか書き上げたのだが、居眠りしながら書いたため、どうも内容に自信が持てない。 そこで、朝もう一度見直してから更新しようと思って寝ることにした。
ところがである。 一夜明けてみると、状況が一変していたのだ。 「どうしようか」と考えたあげく、内容を変更することにした。 とはいえ、出勤前の限られた時間、内容をまったく変えてしまうことは不可能である。 そこで当初書いていた、日記の所々を削っていくことにした。 昨日の日記が何かおかしいのはそのためである。
さて、会社に着いてからはなるべくテレビのそばを離れないようにして、その後のニュースを見守った。 さすが地元である。 人質事件に関する特番を、彼の実家と中継を結んでやっていた。 しかし映っているのは家ばかりで、中の様子はアナウンサーの「ショックで寝込んでいる」というレポートだけで、全くうかがい知ることが出来なかった。
そういえば、犯人側の声明が流れてから48時間が過ぎた昨朝、直方市内では「香田証生さんがお亡くなりになりました。皆さん、黙祷しましょう」という声が流れていたという。 そのことをぼくは嫁さんから聞いたのだが、嫁さんは直方から通勤している同僚から聞いたという。 昨朝その人は、その声で飛び起きた。 びっくりして外を見てみると、右翼の街宣車がそこにあったという。
昼食時、その右翼の話を食堂にいた人に話していた。 「一日早かったんやね」などと言っている時だった。 携帯速報が入った。 見てみると、“クウェート大使館の医務官が確認したところ、(本日未明に発表された『香田さんらしき遺体』は)香田さんの遺体ではない”と書いてあった。 「えっ…?」 「どうしたと?」 「朝の遺体は、香田さんじゃなかったらしい」 「だって、ちゃんと政府が発表したやん」 「それが誤報だったらしい」
その後のニュースで、政府側はその件を「米軍の発表だったから」と言って逃げていた。 いくら米軍が言っていたからといっても、それを鵜呑みして発表するのはどうかと思う。 これでは先の右翼と何ら変らないではないか。
誤報だったと発表されてからも、直方のご両親は相変わらず寝込んだままだと言っていた。 そうだろう。 そのことは誤報でも、それが息子が生存している証とはならないのだ。 ということは、両親は継続してご息子の安否を気遣わなければならないことになる。 すぐにでも現地に飛んで、息子を救い出したいだろうが、それも出来ない。 早く決着をつけてもらいたいところだろうが、その決着が殺害という形で現れる可能性が大なのだ。 「いったいどうすればいいんだ!?」 これが今のご両親の気持ちだろう。
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