【1】 3冠王が確定した翌日、地元のテレビにホークス松中選手が出ていた。 その中でプレーオフについて聞かれた松中は、「この1年は何だったのか、っていう気持ちです」と答えた。 それはそうだろう。 ペナントレースを必死に戦い、苦しんで苦しんでついに1位になった。 ところが、それはイコール優勝ではないのだから。 優勝チームと呼ばれるためには、その後のプレーオフに勝たなければならないのだから。
「この1年は何だったのか?」 松中に限らず、1位になったホークスの選手たちは、一様にこの矛盾を感じたはずだ。 いや、今年のホークスの選手たちだけではない。 来年以降の1位通過チームの選手たちも、きっと同じ矛盾を抱くにちがいない。
ではこの1位とは何かといえば、プレーオフの第1ステージ免除の権利を得ることである。 つまり高校野球で言えば、くじ引きで1回戦を戦わなくてよくなったようなものである。 つまり選手の抱く矛盾とは、「頑張って1位になったのに、それが当りくじを引き当てた高校と同じ扱いじゃねえ…。やっとれんわい」ということだ。 ここで終わりと思っていたら、実は始まりだったということだ。
さて、ペナントで1位になった。 普通ならここでビールかけだ。 ところがそれは許されない。 それどころか、ペナントレース以上に過酷な試合が待っている。 それに伴って、ファンもペナント以上の胃の痛い思いを強いられるわけである。
【2】 とはいえ今年から始まったこのプレーオフ、見る分には楽しい。 選手たちの緊張感が伝わってくるし、球場の盛り上がりかたも普段とは違っている。 興行的には成功だと言えるだろう。
しかし、ペナント1位即優勝ではないというのは、どうも解せない。 やはりペナント1位はリーグ優勝なのである。 プレーオフは、あくまでも日本シリーズ出場をかけた予選であって、元々ペナントとは別次元のものなのだ。 阪神の前監督星野仙一も、「ペナントレース優勝にこそ価値がある。日本一はおまけのようなものだ」と言っていたではないか。
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