今日も床屋がらみの話である。
毎年この時期、仕事でない時はバミューダをはいている。 別に「夏を惜しんで」というような感傷的なものではなく、例年はまだまだ残暑が厳しいということである。 昨日も慣例どおり、バミューダをはいて床屋に行こうと思っていた。 しかし、朝方雨が降っていたせいか、かなり寒かった。 8時を過ぎても雨が残っていた。 「今日はバミューダだと寒いかなあ」 そう思って、慣例を破りジーンズで行くことにした。
外に出ると、予想どおり涼しい。 ここまではジーンズで正解だったわけだ。 が、結果的には裏目に出ることになる。
実はぼくが家を出る時、雨はやんでいた。 空も明るくなっていたので、「このぶんだと傘を持って行く必要もないだろう」と思い、手ぶらで家を出た。 ところが、1,2分後に雨がパラつきだし、3,4後には本降りになってしまった。 9時に間に合わないと困るので、傘を取りに引き返すことはせずに先を急ぐことにしたのだが、なぜか歩きにくい。 ジーンズのせいである。 ジーンズが雨水を吸って、重たくなっているのだ。 雨は床屋に近づくにつれ強くなっていく。 足は床屋に近づくにつれ重くなっていく。 ようやく床屋に着いた時には、シャワーを浴びた後のようにびっしょりになっていた。
ぼくの行く床屋は年寄り客が多いので、早い時期からストーブを出しているのだが、さすがにこの時期にはまだ出していない。 それどころか、暑くもないのに冷房を入れているくらいだ。 ぼくの姿を見かねた床屋の姉ちゃんが、タオルを貸してくれたので、頭からしたたり落ちる水には対処できた。 が、問題はジーンズである。 地が厚いためになかなか乾かない。 そのうちぼくの番がやってきた。 濡れたままイズに座った。
イスはエアコンの真ん前だった。 一瞬凍ってしまうんじゃないかと思ったほど冷たかった。 姉ちゃんが「クーラー、とめようか?」と言ってくれたが、断った。 何せエアコンである。 冷たいながらも、ちゃんと除湿をしてくれる。 寒いながらも、だんだんジーンズが乾いてくるのがわかった。 そのうち、ジーンズのことが気にならなくなり、ぼくは安眠した。 散髪が終わる頃、あれだけ濡れていたジーンズは、ほとんど乾いていた。
床屋を出る時には雨も上がっていた。 ところがである。 3,4分歩いたところで、また雨が降り出した。 まあ、今度は帰りだったので、「家に帰ってシャワーを浴びればいいや」くらいの感覚だった。 が、それにしても寒かった。 家に着いた時には、鳥肌が立っていた。
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