昨日は休みだった。 午前中床屋に行き、午後から買い物に行く予定だった。 しかし、その予定も台風のせいで台無しになった。 午前7時からラジオをつけ台風情報を聴いていたのだが、公共の交通機関はすべてストップしているという。 ということは、遠方からバスで通っている床屋の姉ちゃんは今日は来てないということになる。 それ以前に、「この雨風だ。店は開けないだろう」と推測していたから、午前8時早々と床屋行きを断念した。
さて、そうなると、何をやって時間を潰そうかということになる。 しばらくパソコンの前に座って、ニュースサイトなどを見ていた。 しかし、30分が限度だった。 眠たくなってきたのだ。 そこで寝ようと思い、横になった。
11時頃だったろうか。 「ガンガン」という音がした。 何だろうと起きてみると、嫁さんがギャーギャー騒いでいる。 「どうしたんか?」と訊くと、嫁さんは「あれ見て」と言って。バルコニーを指さした。 見てみると、バルコニーに置いてある物干し竿やゴミ箱が乱舞してるではないか。 うちのバルコニーは落下防止のため手すり部分がかなり高くなっている。 そのため、そういう物が外に飛んでいく危険はない。 だが、昨日の風は、そういう物を外に飛ばす力を中に向けた。 「ガンガン」という音は、物干し竿やゴミ箱の中のビン缶類が窓を叩いていたのだ。
「このままだと窓ガラスが割れてしまう」と思ったぼくは、慌ててバルコニーに出ようとした。 ところがである。 肝心のサンダルが見あたらないのだ。 「おい、サンダルは?」 「そこにあるやろ」 「ないぞ」 「え?…あっ、あそこあそこ」 何とサンダルは、風に飛ばされてバルコニーの排水溝に突き刺さっていた。 仕方なく裸足でバルコニーに降り、サンダルを履いた後、物干し竿やゴミの整理をした。 その作業は5分足らずで終わった。 だが、家に上がったぼくは、シャワーを浴びたあとのようにびしょぬれになっていた。 おまけに髪は逆立ち、顔には数枚の木の葉が貼りついていた。
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