頑張る40代!plus

2004年08月26日(木) 警察に出頭しろ

仕事が終わってから、いつものように実家に行った。
「ただいま」
「あんた何かやったんね?」
母が真顔で言った。
「えっ?」
「さっき、警察から電話があったよ」
「警察?」
「うん。『出頭してくれ』ということやった」
「おれが何したんかねえ?」
「知らんよ。自分の胸によく聞いてみなさい」

不思議なものである。
警察と聞くと、なぜか反射的に「何か悪いことをしたかなあ?」と思ってしまう。
こういう時、なぜ「何か表彰されるようなことをしたかなあ?」と思わないのだろう。
ということで、最近あった「何か悪いこと」を思い起こしてみた。
監視カメラのあるところで、車を飛ばしたのか?
そんな覚えはない。
酒気帯び運転か?
それも記憶がない。
というより、日記に書いているとおり、飲みごとのある時は、車に乗っていかない。
一度ノンアルコールビールを飲んで運転したことはあるが、それなら今頃言ってくるはずはない。
運転中に携帯電話をかけていたのを見られたのか?
あまりそんなことはしないしなあ。
「他には…」
いくら考えても、何も出てこない。
最近あった警察がらみの『事件』と言えば、拾った免許証を交番に届けたことくらいしかない。

「何も覚えがないよ」
「何もないのに、警察が電話してくるはずはないやろ」
「ちょっと電話して訊いてみる。何課からかかったんかねえ」
「交通課」
やはり交通課だったか。
ぼくは若干ビビりながら、電話番号を押した。

「もしもし、交通課お願いします」
「はい、交通課ですが」
「しろげしんたといいます。先ほど、電話もらったらしいんですが…」
「ああ、しろげさんですか」
「何かしましたかねえ?」
「えっ?いや、車庫証明の件なんですけど」
「車庫証明?」
「ええ、今の車、車庫証明の変更してないでしょ?」
「車庫証明の変更…?」
「今の車、Oさんのところで申請したでしょ?」
「Oさん…。ああ、そうです」
「今そこは使ってないでしょ?」
「ええ、今の家に移った時に解約しました」
「先日、しろげさんが駐めていた場所で、車庫証明の申請があったんですよ。それで調べてみると、しろげさんが変更してないことがわかって…」
「ああ、そうだったんですか。で、どうしたらいいんですか?」
「署に来て変更して下さい。おそらく車検証も住所変更してないはずですから、それも変更してもらわなければなりません」
「いつまで行ったらいいですか?」
「先方が待ってますから、なるべく早くお願いしたいんですが」
「何か持って行くものありますか?」
「印鑑と車検証のコピーを持ってきてください」
「わかりました」

電話が終わり、「大したことやないやん」と振り返って母を見ると、母は腹を抱えて笑いだした。
すべて知っていたのだ。
あいかわらず意地の悪いばあさんである。
ま、この子にしてこの親ありということか。
一本取られたわい。


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