頑張る40代!plus

2004年08月12日(木) 異物感(2)

ぼくの番が来た。
先生がぼくの前に立った。
その時だった。
ぼくは思わず「先生、切開せんで下さい」と言ってしまった。
すると先生は、「はっはっは、切開するかどうか、診てみらなわからんよ」と言い、医者はぼくの目に光を当てた。
「ああ、これはひどいねえ」
「えっ、切開ですか?」
「うーん、切開ねえ。それもいいけど…。しばらく様子を見ようか。目薬を渡しておくから、それで治らなかったら、もういっぺん来なさい。その時切開するから」
「えっ…」
と言ったものの、ぼくはホッとしていた。
治らなくても、そこに行きさえしなければ、切開されることがないからだ。

帰りに目薬をもらった。
だが、あまり効き目はなく、2日経ち3日経っても目は一向に良くなる気配がなかった。
かと言って、医者に行くのはごめんである。
何かいい方法はないものかと悩んだ末、出た結論が薬局に行っていい目薬を探すことだった。
ぼくはさっそく薬局に行った。
そこで目についたのがアイボンだった。
アイボンを見たとたん、「これで地道に目を洗っていけば治る」という予感がした。
さっそくアイボンを購入し、家に帰ってから何度も目を洗った。
予感通りであった。
ぼくの眼病は、アイボンを買ってから2日後に完治してしまったのだ。

【3】
「やはりアイボンを買うか」
ぼくは車の中で、そう考えていた。
会社に着いてから、すぐに薬局に行った。
ところが、そこで目移りしてしまった。
『異物感に効く』と書いた目薬を見つけたのだ。
価格もアイボンに比べると若干安い。
「これにしよう」とレジに持って行った。

さっそく休憩室に行き、目薬を差した。
心なしか、まぶたの裏のコロコロが緩和されたような気がする。
「やはり能書き通りだ。これを何度か差しているうちに良くなるだろう」
しかし、コロコロがなくなったわけではない。
しばらくすると、またコロコロが気になり出す。
そこで再び目薬を差す。
そんな繰り返しをしばらく続けていた。
ところがである。
トイレに行った時に鏡を見てみると、何と目が真っ赤に充血しているではないか。
それも片目どころか、両目ともにである。


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