頑張る40代!plus

2004年07月01日(木) 携帯電話の落とし物

昨日、サービスカウンターに見慣れない携帯電話が置いてあった。
「これ、どうしたと?」と、そこにいたラーさんに聞いた。
「昨日の朝、『携帯が落ちてた』と言ってお客さんが持ってきたんよ」
「落とし主はわかったんか?」
「いや、本人から電話があるかと思って待ってたんだけど、かかってこんのよ」
「じゃあ、警察に届けたほうがいい」
「え、警察に?」
「うん。前に携帯を交番に届けたことあるやん。その時携帯のショップの人が教えてくれた。何でも携帯電話の場合、犯罪性を含んでいることもあるけ、届けないとならないらしい」
「ああ、そうなん。誰が持って行くん?」
「おれ行かんよ。1月(04年1月28〜30日の日記参照)に届けた時、手続きに1時間くらいかかったけ」
「じゃあ、どうすればいいと?」
「しかたない。電話して取りに来てもらうか」
ということで、ぼくは110番した。

「あのう、○地区の××店ですが、携帯の落とし物があったんです。届けに行きたいんですけど、今日は忙しくて動けそうにありません。出来たら取りに来てもらいたいんですけど」
「ああ、そうですか。では最寄りの交番の者を伺わせましょう」
「あ、来てくれますか。すいません」
「で、どなたを訪ねていけばいいんですか?」
「サービスカウンターに“ラー”というものがいますんで。もしいなければ、私“しんた”を呼んで下さい」
「はい、じゃあラーさんかしんたさんを訪ねていけばいいんですね」
「はい、よろしくお願いします」

電話をかけたのは2時頃だった。
しばらく意識して待っていたのだが、そのうち本当に忙しくなって、警察が来ることも忘れてしまった。
ようやく思い出したのは、閉店後だった。
しかし、ラーさんは6時で帰ったので、そのことを聞くことも出来ない。
「まあ、来たことにしておこう」
そう思って、昨日は家に帰った。

ところが、今日会社に行ってみると、まだその携帯電話はカウンターに置いたままだった。
ラーさんがいたので、「昨日、警察来んかったと?」と聞いてみた。
「うん、来んかったみたいやねえ」
「忙しかったんかのう?」
「さあ?」
「ま、今日は来るやろ」
ということで、今日一日待ってみることにした。

しかし、いつまで経っても警察は来なかった。
そこで夕方、もう一度110番してみた。
「あのう、昨日電話した××店ですけど」
「はい、何か?」
「『何か』って、昨日携帯を拾ったんで取りに来るように頼んでおいたじゃないですか」
「あ、そうでしたか。えーっと、場所はどこですかねえ?」
「○地区です」
「○地区の何という店ですか?」
「だから××店です」
「ああ、××店ね。そこは何時まで営業してますか?」
「8時までです」
「はい、ではあと1時間ぐらいしたら、交番の者を伺わせますので」
「お願いします」

ところで、ぼくが電話をしている時、横にアルバイトのR奈(タマコの日記で“OR”名で登場)がいた。
彼女はぼくの電話中、何かソワソワしていた。
そこで電話を切ったあと、ぼくはR奈に、
「おまえ、何ソワソワしとるんか?」と聞いてみた。
「だって、しんたさん、警察と話してたんでしょ?」
「ん?お前、おれが警察と話してたら困ることあるんか?」
「いや、ないですけど。よく警察と話せるなと思って…」
「警察と話すくらい何と言うことないやないか。お互い社会人同士なんやし。それにしても、お前怪しいのう。何か隠しとるやろう?」
「えっ、隠してないですよ」
「いや、態度がおかしい」
「そんなことないです」
「まあいい。警察が来たら、呼んでくれ。そこではっきりさせようやないか」
と言ってぼくは売場に戻ろうとした。
が、あいかわらず、R奈は落ち着きなく、困ったような顔をしてぼくを見ている。
そこで、「いいか、ちゃんと『こういうことをしました』と包み隠さず話すんぞ」と念を押しておいた。

それから1時間くらいして、「しんたさん」と店内放送がかかった。
警察がきたのだ。
ぼくは遠くから、カウンターのほうを覗いてみた。
R奈は警察の人と距離を置いた所に立って、ソワソワしている。
「このまま待たせようか」とも思った。
が、そうもいかない。

調書を書いている間、R奈はぼくの横から離れなかった。
時折調書をのぞき込んだりしていた。
「はい、では落とし主にちゃんと連絡を取って、届けておきますので」
そう言って、警察の人は帰っていった。
警察の後ろ姿を見ながら、ぼくはわざと「おまわりさーん」と呼んでみた。
するとR奈は慌てて「呼ばなくていいですよっ」と言った。
「ほら、やっぱりおかしいやないか」
「そんなことないですって」
そう言いながらも、R奈は帰るまで興奮していた。

さて、落とし物の携帯電話だが、うちで預かってから2日間、電話もなければ、メールも入らなかった。
もしかしたら、本当に何かの事件に関わっているのかもしれない。
最近の事件を見ると、携帯電話絡みの事件が多いので、ふとそう思った。
ま、とにかく、警察に預けたことだし、あとは警察任せである。


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