頑張る40代!plus

2004年06月22日(火) 熱心な信者さんたち

「参議院選か。ということは、またあれが始まるのか」
今日はそんなことを思いながら家にいた。
「あれ」とは、ご無沙汰電話のことである。

以前、古い友人から突然の電話をもらったことがある。
「はい、しんたですが」
「おお、しんたかぁ!」
「えっ…」と、ぼくは電話の前で困った笑みを浮かべた。
あまり聞き慣れない声なのである。
「えーっと…」
「ああ、おれおれ」
「『おれ』…??」
「○○よ。○○」
「○○…さん?」
「前に一緒にバイトしてた」
「ああ、ああ!○○ね。久しぶりやのう」
「いやね、電話帳めくっていたら、しんたの名前を見つけてねぇ。懐かしくなって電話してみたんよ。元気か?」
「おかげさまで」
「奥さんは…。ああ、しんた結婚しとったんかのう?」
「いちおうね」
「そうか。あの時の彼女か?」
「ああ」

それからお互いの近況報告をし、昔の話に花が咲いた。
彼は「今度飲みに行こう」と言ったあと、間を置いて「ところで…」と話を変えた。
「今度選挙があるやろう」
「ああ」
「誰か入れる人決まっとるか?」
「いや、別に決まってないけど…」
「そうか。じゃあ××さんに入れてくれんかのう」
「××さん?」
「おう、公明党の」
ということで、この電話は『懐かしくなってかけた』ものでないことが判明した。
それと併せて、○○が学会さんだということも判明した。
もちろん「飲みに行こう」は口実である。
なぜなら、それから選挙のたびに電話が入るようになったのだが、一度も飲みに行ったことがないからだ。

嫁さんにも同じような経験があるらしい。
電話をかけてきたのは嫁さんの高校時代の同級生だった。
彼女は唐突に「選挙行くやろ?」と言った。
そこで嫁さんが「いや、その日は8時から仕事やけ行かれん」と答えると、その人は「じゃあその日、私が会社まで送っていく」と言う。
嫁さんが『おかしなこと言う人やね』と思っていると、彼女は「だから、会社に行く前に、選挙につきあって。で、公明党の××さんに入れてくれん?」
と言ったらしい。
電話を切ったあと嫁さんは、「大人しい人やったけど、まさか学会の人だとは思わんかった」と言っていた。
「迎えに来てくれるなら、いいやないか。別に××に入れんでもいいんやけ」
「よくないよ」
「で、その人どこに住んどるんか?」
「下関」
「えっ…」
海の向こうである。
嫁さんが会社に出る前に向かえに来る、しかもその前に選挙に行くとなると、彼女は6時過ぎに家を出なければならない。
熱心な信者さんである。

ということで、まもなくぼくと嫁さんにこの二人から電話がかかる。


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