今日は快晴だった。 外に出ると、紫外線が強いせいか、目を開けているのが辛いくらいだった。 この天気と南よりの風が吹いて、初めて真夏となるのだろうが、今日は北東の風が吹いたためか、風は少し冷たく感じた。 もし梅雨というものがなかったとしたら、6月というはきっと今日のような気候なのだろう。
こういう日は決まってのどが渇く。 天候もさることながら、店の中がエアコンの効きすぎで乾燥してしまっていたためだ。 のどが渇くといえば、ぼくたちが子供の頃は、のどが渇くと水道の蛇口に口をつけてがぶ飲みしていたものだった。 これがかなりおいしかったような記憶がある。 確かにその当時からジュースやコーラはあった。 しかし、お小遣いが10円20円の子供には高嶺の花だった。 必然的にのどが渇くと、水を飲むことになる。 しかし、その当時の水が本当においしかったのかどうかは疑問である。 さして今と代わりはなかったのではないだろうか。 水質も今より良かったとは言い難い。 雨が降ると水が濁ったし、カルキー白さは今よりも顕著だったし、時には赤茶けた水も出ていたものだ。 浄水器もなかった。 それでもおいしく感じたのは、きっと本当に渇いてからだろう。
ところで、今日はあまりにものどが渇いたので、滅多と飲まない清涼飲料水を3本も買ってしまった。 昼食で飲んだカテキン茶を含めると、今日は持ち金の半分以上を飲料水に費やしたことになる。 そのうちの一本が、緑茶(まろ茶系の新製品)だったのだが、その缶の裏に雑学コーナーのようなものがあった。 そこには、 「1960年代に、お金を入れてコーラのビンをそのまま引き抜く『手動販売機』なるものがあった」 というようなことが書かれていた。 あったあった、ありましたよ。 たしか、その手動販売機は2つのタイプがあったように記憶している。 縦型と横型と言ったらいいか。 縦型とは、今の自動販売機のようなもので、コーラを横に寝かせて置いてあった。 また横型とは、どでかいクーラーボックスのようなもので、コーラは立てた状態で置いてあった。 ぼくがよく利用したのは後者のほうだった。 中学の頃、柔道場に通っていたのだが、そこにそのどでかいクーラーボックスが置いてあったのだ。 フタを開けて、お金を入れて、引き抜くのだ。 柔道をやった後のコーラは、また格別なものがあった。
ところが、その手動販売機はすぐに撤去された。 理由は、そのコーラの置き方にあった。 立てて置いてあったと書いたが、コーラのビンは飲み口の下に出っ張りがあった。そこをレールに引っかけて宙づりにしていたのだ。 もちろん、お金を入れないと引き抜くことは出来ない。 が、飲むことは出来た。 そう、栓を開けて、ストローを使えば飲めるのだ。 誰かがその方法で飲んでいたのが広まり、みんながやるようになった。 気がつけば、フタを開けたら空ビンばかりになっていた。 そこで、撤去ということになったわけだ。 そのため、柔道後にコーラを飲む楽しみはなくなった。 渇きは、道場にあった井戸水で潤していた。
しかし、今日はのどが渇く。 この日記を書いている今も、のどが渇いてしかたない。 いや、決して糖尿なのではない。 季節的なものである。 そう信じている。 ところで、こういう時こそ、昔に戻って水を飲めばよさそうなものだが、どうも気が進まない。 昔より衛生的な水、しかも浄水器までつけている。 それでも飲む気がしない。 ということで、今はお茶を飲んでいる。
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