| 2004年06月09日(水) |
頑張るタマコ!21歳(算数編) |
今日、タマコは知恵熱を出して、バイトを休むと言ってきた。 ラーさん曰く「しんちゃんが、いろいろと詰め込むけよ」 が、ラーさん。それは違う。 はっきり言って、この間はラーさんの問題のほうが難しかった。
最近、夕方から極端に暇になる。 ほとんど接客をすることがないのだ。 以前は何本か電話もかかっていたのだが、最近はそれもない。 売り出し準備でもすれば気も紛れるのだが、今週は売り出しがない。 それに加えて、今日はタマコもいなければ、暇つぶし仲間のH先生もいない。 『今日は面白くないのう。どうやって過ごそうか。それにしてもタマコの奴、あの程度で知恵熱とは情けない』と思っていた時だった。 『あ、もしかしたら…』と思い当たることがあった。 あの日、ぼくはタマコに、国語の問題を出した後、続けて算数の問題を出したのだった。
【問題1】 はたしてタマコは九九が出来るのか、と思ったぼくは、タマコに問題を出してみた。 「おい、タマコ。8掛ける9はいくつか?」 タマコは自信ありげに、 「そのくらい書けますよ」 と言った。 「書ける?」 「ええ」 そういうとタマコはメモ用紙に、 『八×九』 と書いた。 「おい、8×9はいくつかと聞いたんぞ」 「ああ、計算するんですか」 「そう」 「簡単じゃないですか」 「そうやのう。簡単やのう。で、いくつか?」 「63」
【問題2】 『お父さんは280円のタバコを5個、タマコさんは270円のタバコを10個買いました。これらを合わせて買う時、6000円のお釣りをもらうためには、レジでいくら払ったらいいでしょう』 この問題を紙に書いて、タマコに渡した。 さっそくタマコは計算を始めたが、何せ九九が出来ない。 そこで電卓を持ってきた。 5分ほどして、タマコは 「しんたさん、出来ました」 と言ってきた。 「いくらか?」 「4000円です」 「何でそうなるんか?」 「えっ、違うんですか?」 「4000円払って6000円のお釣りがもらえる店があったら、行ってみたいわい」
その後、タマコはその問題に手を付けなかった。 理由は、「頭がこんがらがる」ということだった。 『そうか、あれが原因やったんかもなあ。ということは、次からはもっとレベルを下げるしかないのう』 しかし、漢字の読み書きや、九九は基本だし、それ以上レベルを下げるとしたら、それこそ幼稚園のレベルに落とすしかない。 いったい、今、幼稚園ではどんなことを教えているのだろうか? 今度タマコに聞いてみよう。
6時前のこと。 ちょうどぼくがオナカ君と話をしている時だった。 何と休むはずのタマコが、ヘラヘラと笑って現れた。 「おい、タマコ。おまえ、今日は知恵熱出したけ休むんやなかったんか?」 「昼間は気分が悪かったけど…」 「もういいんか?」 「はい」 もちろんオナカ君に、タマコを紹介した。 そしてオナカ君に、 「何か質問してみろ」 と言った。 が、オナカ君は何も質問しなかった。
オナカ君が帰った後、タマコを鍛えてやろうと思い、タマコのところに何度か行った。 しかし、また知恵熱を出されたら困るので、何も問題を出さなかった。
タマコは今21歳。幼稚園の先生を目指している。 8×9は72だよ、タマコ君。
※人名は日記内検索で検索して下さい。該当日記が出てきます。(申し訳ない。PCだけです)
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