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2004年03月08日(月) 西から風が吹いてきたら(番外編)

先日、プレイヤー王国に『西から風が吹いてきたら』という曲を登録した。
この曲の説明は、以前(昨年3月15日16日)この日記に書いているので、今日は説明は省く。

さて今日は、なぜこの曲を登録したかの話だ。
以前ぼくは、ごく親しい人以外には、作詞や作曲をしていることを教えていなかった。
理由は、そういうことを人に教えても意味がないと思っていたのと、そういうことを教えることに照れを持っていたからだ。
そうやって、ごく一部の人だけに聞かせてきたオリジナル曲だが、どういうわけか、この『西から風が吹いてきたら』の評判が悪かった。
いや、評判が悪いというより、この曲に限って、誰も聞いてくれなかったのだ。
個人的に好きな歌だったので、「なぜ?」という思いでいっぱいだった。

その後、ぼくの興味はエッセイや詩に移行し、作詞や作曲といったものの興味は薄れていった。
もうその頃には、『西から風が吹いてきたら』のことはどうでもよくなっていた。

さて、エッセイや詩に興味が移ると、どうかしてこういうものを、より多くの人に読んでもらいたいと思うようになった。
そこで、ホームページを立ち上げることを考えた。
これなら雑誌などに投稿するといった、面倒な作業もしなくていいからだ。
パソコンを手に入れてから、一年後、ようやく自分のホームページを持つに到った。

もちろん、目的がエッセイや詩を読んでもらうことだったので、当初はただそれだけのサイトだった。
しかし、時が経つにつれ、だんだんそれだけでは飽き足らなくなっていった。
かといって、テキスト以外に何かやることがあるのか。
写真の趣味はないし、絵心もない。
いろいろ考えたのだが、何一ついい案が見つからない。
そこで「ここはひとつ、オリジナル曲でもやってみるか」ということになった。
音源はかつて作ったデモテープを利用すればいい。
ということで、『歌のおにいさん』を始めた。

まず、自分のお気に入りで、ということで、数曲をアップした。
もちろん『西から風が吹いてきたら』を入れていた。
テキストサイトの異変ということだったのだろう。
最初のうちは、少なからず反響があった。
だが、『西から風が吹いてきたら』に関しては、「ハーモニカも吹くんですね」くらいの感想しかもらえなかった。

ところが、ある時「この歌、最高」と言ってくれる人が現れた。
この歌を作ってから20年以上経ってから、初めての理解者である。
ぼくは嬉しくなり、この歌の背景や、本当の歌詞のことを書く気になった。
ところが、そこにあったドロドロのドラマを知って、「そんな内容だッたんか」と、理解者はかなりショックを受けたようだった。
「しまった。書かんほうがよかったか」とは思ったが、もう前には戻れない。
まあ、童謡の中にも、空恐ろしい背景を持つものがあるということだから、そういうことを気にしていたらきりがない。
「せっかくの理解者が…」とは思ったものの、やり過ごしておくことにした。
ところがその後も、その人のお気に入りは、あいかわらずこの『西から風が吹いてきたら』なのだという。
その理由は、「いいものはいい」ということだった。
そんなに気に入っているのなら、ということで、今回プレイヤーズ王国に登録する気になったのだ。

もう一度書いておくが、この歌の元歌詞は、

「何も告げずに行くよ
 N美もうぼくのことは忘れとくれ
 会おうとも思わないでおくれ
 ホントにもう二度とね」

東京時代、勘違い女に翻弄されたことがあるのだが、この歌は、その彼女に向けた決別の歌である。


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