頑張る40代!plus

2004年02月10日(火) 自衛隊に入れ!

高校3年生の義理の甥っ子が、ようやく進路を決めた。
実は冬休み前に、甥っ子の進路について、相談に乗る機会があったのだが、本人はぼくの高校時代と同様、自分の進路について何も考えていなかった。
焦っているのは周りばかりといった状況だった。
本屋に行っても大学受験の参考書を見るでなく、ぼくが意見をしても上の空。
まあ、ぼく自身、その年齢の頃にフラフラしていたから、あまり説得力がなかったのだろうが。

それならということで、ぼくはとっておきの提案をした。
それは、「自衛隊に入れ」である。
「え、自衛隊?」
「おう、そこで2年間鍛えて来い」
「自衛隊ねぇ…」
彼はあまり気乗りしない様子だった。
というより、突然自衛隊と言われたから、ピンと来ない様子だった。

「別に入ったからといって、すぐにイラクに行かせるわけじゃないんぞ」
「そりゃそうやろうけど…」
「まあ、仮にイラクに行ったら、給料とは別に、手当が3万円付くらしいけど」
「そうなん」
「おう、一ヶ月行ってみ、90万円もらえるんぞ」
「ふーん」
別に興味がないように見えた。
金では釣られないようだ。

そこでぼくは、今彼が一番興味のある話をしてやった。
「ところで、運転免許は取ったか?」
「いいや」
「そうか。金がかかるけのう」
「うん」
「とる気はあるんやろ?」
「当たり前やん」
「そういえば、自衛隊に入ると、運転免許証がただで取れるぞ」
「え、免許ただで取れると?」
急に甥っ子の目の色が変った。
「そのくらい常識やろ」
「そうか、免許がただで取れるんか…」
「運転免許だけじゃない。他の資格もただで取らしてくれるぞ」
「へえー」
「とりあえず、そこで2年頑張ってみてん。それから勉強したければ大学に行けばいいんやし、就職したければ就職すればいい」

「運転免許がただで取れる」
その言葉で、甥っ子の心が動いたのかどうかは知らないが、それから後、彼は夢のない大学進学を諦めた。
そして、他の人の説得もあり、ついに自衛隊に入る決心をしたのだった。

まあ、国を守るという気持ちを持って入隊するのがまっとうで、免許をただで取るために入るというのは邪道ではある。
しかし、そういうやましい気持ちも、2年という歳月がまっとうなものに変えてくれるだろう。
甥っ子の軍服姿が、今から楽しみである。


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