2004年01月22日(木) |
ドキュメント1.22(上) |
目が覚めると、道路状況は最悪なものとなっていた。 もちろん、積雪と凍結のせいである。 まあ、予想していたとおりなので、別に驚きもしなかったのだが。
さて、ぼくは、今日は最初から車で通勤するつもりはなく、JRで通勤することを決めていた。 そのため、寒い中で車の雪かきをすることもなく、チェーンをすることもなく、朝はわりとのんびりと過ごした。 昨夜から覚悟していたので、早起きも苦にならなかった。 朝食をすませ、普段より30分早く家を出て、駅まで歩いた。 服装は、もちろん重装備である。 パーカーを着込み、その上にフード付きのダウンジャケットを羽織って外に出た。 ぼくの場合、体の中で一番寒さを感じるのは顔なので、この顔さえ防御出来たら、この寒さも何とか我慢出来ると思ったわけである。 案の定、耳や頬が寒気にさらされなかった分、寒さを感じずにすんだ。 しかし、フードを2枚重ねて歩いている男の姿というのは、他人の目からは異様に見えたことだろう。 どうもすれ違う人から、目をそらされていたような気がする。
会社にはいつもの時間に着いた。 雪が降ることはわかっていたので、さすがに誰一人遅れてくる人はいなかった。 今日は一日、お客さんの入りも少なく、商品の入荷も少なかった。 ぼくの売場なんか暇で暇で。 しかたなく、今日は一日中ストーブの前で暖を取っていた。
ところが、こういう日でも忙しい部門というはある。 カー用品である。 朝から、ひっきりなしに電話がかかっていた。 お目当てはタイヤチェーンだ。 前の日から雪が降るのはわかっていたんだから、そのくらい前もって準備しておけばよさそうなものを。 やはり人というのは、せっぱ詰まらないと行動を起こさないのだろうか。
とにかくタイヤチェーンの売場には人だかりが出来ていた。 雪の少ない地方だし、カー用品の専門店でもないので、店としても、それほどチェーンを準備しているわけではない。 チェーンはすぐに売り切れてしまった。 お客さんの中には、サイズが合わないのを承知で買っていった人もいるようだった。 えてしてこういう人は、後で文句を言ってくるものである。
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