最近ウキウキしている。 その理由の一つに、運命線が伸びたというのがある。 ぼくの運命線は、今まで感情線で止まっていた。 太閤秀吉は、この運命線を伸ばすために、ピンのようなもので線を引くことをやったらしい。 そのおかげで、秀吉の運命線は中指まで伸びたという。 その結果が、太閤様だ。
それを知って、そういうことをやってみた。 しかし、その努力は報われなかった。 秀吉の件を知ったのが19歳の時だから、もう27年も報われなかったということだ。 感情線より上には伸びてくれない運命線を眺めては、自分の運命を恨むこともあった。
ところが、年が明けたある日。 その日は陽春という名にふさわしい、天気のいい日だった。 何気なく太陽に手を透かしてみた。 「えっ!?」 何度か見る角度を変えてみた。 しかし、何度やっても同じだった。 何と運命線が伸びているのだ。 それも感情線の1センチ近く上まで。 これは喜ばしいことである。 長年の願いが叶ったのだから。 秀吉までは無理だろうが、それでもいっぱしの人間になれるのではないか。 そういう期待が、ぼくの胸の中で膨らんでいった。
さらに、その運命線の横にある太陽線が伸びていた。 手相の本で読んだことがあるのだが、太陽線が伸びる時、昇進したり、懸賞に当たったり、と、とにかくいいことが起きるらしい。 もしその記述が本当なら、ぼくにも何かおこぼれがあるだろう。 平成16年、今年は何かいいことがありそうな予感がする。
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