朝起きた瞬間、「今日は調子が悪い」という予感がした。 それから数分後、その予想は当たった。 どうも背中に違和感がある。 背骨の上の部分がずれそうな感じがしたのだ。 ずれてしまうと、背中はもちろん、肩や首に痛みが走る。 痛みをかばうために腰や足にも影響が出てくる。 つまり、行住坐臥すべてに影響が出てくるということだ。 しかも、その痛みは一日やそこらでは治らない。 治るまで、最低でも三日はかかるのだ。、
そうならないためにも、ぼくはすぐさま矯正した。 うまくいけば、背中がボキッと鳴って、違和感が解消されるのだ。 何度かやっていると、うまくはまったようで、違和感はなくなった。
ところが、出勤時に車の中でとった姿勢が悪かったのか、会社に着く頃に、また違和感が出てきた。 そこで、再び矯正をやった。 だが、今度はどうもうまくいかない。 何度やってもだめなので、なるべくその部分に負担をかけないような姿勢をとることにした。 しかし、それがいけなかった。 「負担をかけまい」と思うあまり、かえってその部分を意識してしまう。 そのうち、ちょっとした腕の上げ下ろしにまで神経を遣うようになった。 おそらく傍にいた人には、ぼくの動きは妙にぎこちなく見えたことだろう。
なぜか神様は、こういう時に限って容態を悪化させるような状況を作ってくれる。 今回の試練は重たい荷物だった。 次から次に荷物は入ってくる。 その整理のために、嫌でも体を酷使しなければならない。 当然、こういう力仕事をやっていると、背骨の状態に影響が出てくる。 案の定、荷物の整理が終わった時には、かなり背中が痛くなっていた。
昼食をとったのは午後1時頃だったが、その頃にはさらに状態は悪化しており、首を曲げることすら出来なかった。 おまけに、頭は痛くなる。 イライラがつのる。 さんざんな状態のまま、夜を迎えた。 夜になっても、明日の準備等で体を駆使しなければならない。 ようやく仕事が終わり、家に帰った時には、すでに立っていられない状態だった。
ぼくは年に一度くらい、こういう状態に陥ることがあるが、今回のは最悪だった。 その後、風呂に入ったりして、筋や筋肉をほぐしたおかげで、痛みは少し治まったが、まだまだ動きはぎこちない。
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