その翌日のことだった。 有線ブロードバンドから勧誘の電話が入ったのだ。 「有線ブロードバンドと言います」 「はい」 「失礼ですが、パソコンはやっていますか?」 「はい」 「じゃあ、光ファイバーとかに興味ありますか?」 「ずっと前から有線さんのメール取っていますよ」 「そうなんですか。じゃあ、そちらの地区もサービスが開始になったことですし…」 「いや、ちょっと待って下さい。実は…」と、ぼくはNTTとの経緯を話した。 「…で、12月のマンション総会で説明会が行われるんですけど、そこで承認を得ないとならないんです」 「じゃあ、うちも説明会に出席します。そうすれば、入ってくれますね」 「いや、マンションの光ファイバー導入の話をNTTに持ち込んだのがぼくなので、無碍に断るわけにはいかないんですよ」 「ああ、そうですねえ」 「じゃあ、うちがマンションのサービスを請け負ったら、入ってくれますね」 「その時はそうします」 「じゃあ、頑張りますんで」
先月の頭、ポストに総会のお知らせが入っていた。 総会の議題の一つに、「光ファイバー導入について」という項目があった。 そのお知らせには、Bフレッツと有線の資料が同封されていた。 それを見た時、「ようやくここまでたどり着いた」とぼくは思った。 Bフレッツを申し込んでから、というより、それ以前にぼくが光ファイバーに初めて注目したのが、2年前のことだった。 市内ではサービスがすでに始まっていたのだが、それは一戸建ちの家の話で、マンションには乗り越える壁がたくさんあった。 Bフレッツの申し込みが、なぜ今年の3月までずれ込んでしまったかというと、それは管理組合を動かさなければならなかったからだ。 3月に、NTTが「管理組合を説得します」というCMを流しだしたのを見て、初めて申し込む気になったのだ。 NTTがそういうCMを流さなかったとしたら、おそらく永遠にマンションの光ファイバー化は実現しなかっただろう。
マンションタイプなので50MBと、100MBには届かないが、局からの距離の関係でようやく2MBしか出ない、しかも時々切れるADSLとは雲泥の差である。 ということで、ずいぶん時間がかかったが、来月中旬、ついに念願の光ファイバー生活が始まるのだ。
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