頑張る40代!plus

2004年01月01日(木) 年越し(2)

さて、こういう日に限ってろくなことが起きない。
ぼくが接客していると、他のお客さんが「ちょっと来て」と言った。
こういう場合は先客優先の鉄則があるので、もちろん「お待ち下さい」と言って待ってもらう。
ところが、そのお客さんは食い下がる。
「早く来て下さい」
「少しおま…」
「火が、火が出てるんですっ!」
「ええっ!?」
慌てて、ぼくはお客さんの呼ぶ方に行った。

火がついている。
セルロイド製のアクセサリーが、箱の上で燃えているのだ。
こういう仕事を始めて20年以上経つが、こういうことは初めてである。
ここで、頭痛の影響が出てきた。
燃えている火を見て、一瞬どうしていいのかわからなくなったのだ。
幸い手がつけられないほどの火ではなく、ろうそくの火くらいの小さなものだったため、とりあえずその火が他の商品に燃え移らないようにしようと思い、燃えている商品が入っている箱ごと、商品の置いてない安全な場所に移動した。
すると、火はほどなく消えた。

後で原因を調べてみたのだが、その火は、燃えた商品の横にあったライターで付けられたものであることがわかった。
おそらく子供のいたずらであろう。

さて、火のほうは難なく片づき、被害のほうも極力少なくてすんだが、ぼくの被害は大きかった。
燃えている商品を運んでいる途中に煙(有毒ガス)を吸ったため、頭痛がさらにひどくなったのだ。
そして、そのひどい状態が夜まで続いた。

「よいお年を…」
午後8時35分で仕事納めとなった。
「早く帰って、とりあえず寝よう」と、車を飛ばして帰った。
家に着いて、すぐに横になろうとした。
「待てよ、今日は何かあったなあ」
と割れかかった頭で考えた。
「あ、そうか。曙とボブ・サップの試合があったんだ」
これを見ないと寝られない。
ということで、あんなあっけない試合を見るために、2時間近くも無駄な時間を費やした。

そうこうしているうちに、実家から電話がかかった。
そばを作ったから食べに来いと言うのだ。
いよいよ寝ることが出来ない。
しかたなく嫁さんと二人で、寒空の中に出た。
「これで、風邪は必至やのう…」


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