こういう時、FOMAは便利である。 ムーバの場合だと、前の機種を持ってドコモショップに行かなくてはならない。 そこでいくらかの手数料を払い、設定してもらわないと使用出来ない。 FOMAの場合は、携帯の中に入っているカードを取り出し、前の機種の中に挿入するだけでいい。 簡単な作業で使用出来るようになるのだ。 ということで、2月まで、ぼくは古い機種を使うことにした。
さて、2日後のことだった。 何気なく、だめになったほうの携帯電話を見ていて、ふと思った。 「もしかしたら、だめになったのは電池のほうかも」 そこで、試しに取り替えたほうの電池を、だめになった携帯に装着してみた。 すると、ちゃんと電源が入ったのだ。 データもそのまま残っているし、使用に支障はなさそうだ。 一応テストをしてみたのだが、通話も大丈夫だったし、メールも大丈夫だった。 ただ液晶の中にある水滴さえ我慢すればいいのだ。
しばらくその携帯で遊んでいた。 さすがに機種が新しいだけに、感度もいいし、操作性も優れている。 だが、その携帯を使い続ける気にはならなかった。 なぜか? それは、心の傷である。 そう、落とした場所が場所だったし、落ちていく場面もしっかり見ていたので、どうも使う気にならないのだ。 その携帯電話をポケットに入れていると、何か汚物がポケットの中にあるような気がする。 また、食事中に電話がかかってきて携帯を取りだした場合、もしかしたら便所事件の光景が目に浮かぶかもしれないのだ。 そうなると、「もう、食べる気がしない」と言うことになってしまうだろう。
たった2ヶ月、感度の悪い機種を使えばすむ話である。 大して電話もかからないし、メールだってパソコンを使えばいいのだ。 何よりもいいのは、この機手は感度が悪いために、トイレの中では電波を拾わないことだ。 そのため、トイレの最中に、電話がかかってくる心配がない。 これで、トイレの中に、再び携帯を落とすこともなくなるだろう。
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